トキの弔い

自分の声で目が覚めた。
いや、正確には
少し前に目は覚めていて
つけたテレビから
聞えてくる
「トキ」のニュースと
夢がごっちゃになっていたんだけど。
高い岩の上で
誰かに
トキの弔いについて
教わっていて
その場面から
いきなりうちのトイレに
場所が移って
誰かがトイレットペーパーを
まるごと水に落として
そこで叫んだ自分の声だった。
考えたら
大したことないことだし
どんなつながりから
そうなったのかもわからないのだけど
どうしても許せない
嫌悪と怒りの感情が
こもった自分の声に
ひどく驚いた。
ふだんは一番外側に出さない感情。
全部コントロールできると
思っていたのにね。
いつかそうやって
ためこんだものが
噴出して
からだが震えるほどの声を
発することが
自分にも起こるんだろうか。
すごく恐かった。
きのうもたしか
『魚とら』で
M田さんと☆に
ぼそっと話したんだけど
毎日楽しいことばかり起こっていて
いつか終わってしまうんじゃないかとか
その日のために「備えてない」ことが
たまに不安になる。
楽しい毎日が不安っていうのは
言葉たらずだけど
たとえばその裏に
無意識のうちにたまっている
うみのようなものがあって。
それを今朝見たような気がして
恐かったんだ。
いい機会なので
来週小さな頃に住んだ街を
訪ねてみようと思う。
もっと感情的で荒々しかった頃の空気を吸いに。
一年の終わりの大掃除になるかな。

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