恋をしています

こら、
タイトルに驚いたそこのアナタ!
早く慣れなさいな、
あたしの手口に。
ふふ。
恋をしています、1冊の本に
先日
仕事中
ふと手にした梨木香歩の
「家守綺譚」。
百年とちょっと前の
売れないもの書き綿貫征四郎が
綴ったという設定で
書かれたものらしい、と知り
読みはじめたのだけど。
そういえば、
百年」という書店にも
訪れてみたいと
思っていたのは
ただの偶然のはずなんだけど。
求めていた
明治の日本家屋の
ノスタルジーな世界で
展開される
ありえないエピソードたち。
ありえないのだけど
あってもいいかな?
あるかもしんない、、
なことが
普通のことのように
積み重なって行く。
サルスベリに想われ
亡くなった友人が
掛け軸の中から現れ
たぬきにだまされそうになるのを
きつねに助けられ
河童のぬけがらを拾い
人魚になった鮎のために
網をはる・・。
ね?
ありえないのさ。
主人公もそんなことを
だんだん受け入れて
いつになく
がんばっちゃったり
意地はったり
右往左往したり。
その姿が
かっこわるくて
でもチャーミングで
笑っちゃう。
まだ
半分読んだところなんだけど
あたしの頭の中に
征四郎の守る家と
そのまわりの風景が
構築されて居座っているよ。
「あたまやま」の
桜の木みたいにね。
ひとりになりたい
わけじゃないけど
ものいわない犬や
掛け軸からこちらにやってくる
亡き友とかにいじられつつ
淡々と暮らす
征四郎の日常が
少しうらやましい。
梨木さんという人が
ほかにどんなものを書いているのか
うかつにもまだ
未体験なのだけれでも
一言で言うなら
「出過ぎない感じ」がいい。
どんな人なんだろう?
実は今朝は
のどの痛みで
目覚めたのだけど
たぶん風邪をひいたみたい。
ぼんやりした一日の仕事を片付けて
一刻も早く家に帰って
美しいけれど
時に辛らつな言葉たちの中を
浮遊したいです、
梨木さん。
読み終わってしまうのは
さみしいけれど。
嗚呼、
こんな微熱の帰り道には
この小説のような人に
会ったら
恋してしまうだろう。
登場人物の誰でもなく
「家守綺譚」全体に漂う
雰囲気を持っているか
そういうものを感じられる人に。
んな、抽象的な!と思ったそのアナタ、
ぜひ
読んでみて。
久しぶりに
ヤラれちゃったよ
まったく。
なつかしい人たちと
きのう『き○助』で
飲んだ話はまた。
今日こそはお家で
体が欲しているものを
自分で作って食べなければ。
風邪が悪化してしまう予感。
恋の病ならば
いいんだけど。

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