北アルプス初体験①


金曜日、
朝から30㍑のザックを担ぎ出勤。
仕事終わりにビールと駅弁頂きながら
8時ちょ~お~どのー♪
あずさ33号で松本入り。
ツインルームにNNとB当とともに前泊。
土曜日朝は
6時半の朝食にあわせ起床。
109インのビュッフェはなかなかで
和洋迷いつつ
洋中心で1ラウンドのあと
そばとお焼きまで。
金曜日の服は
松本駅のコインロッカーに預け
7:48発の大糸線で穂高駅へ。
さすが北アルプスの玄関口。
駅前に山ショップがあり
7時ごろから
開いているそう。
予約していた南安タクシーに
天気の話しなどしながら
一ノ沢登山口まで運んでもらう。
いつもは山友Kちゃんに
お任せしていた
入山届けに装備の状態や
食糧の状態を書き込み
なんだか気が引き締まる思い。
実はガールズのみの登山は
初めてなのだ。
しかも
あやしかった雲が
接近してきて
雨が本降りに!
おいおい
最初から上下レインスーツも
初めてだよ!
ザックカバーもかけ
ストックの長さも合わせ
9:28登山開始。
目指すは常念岳。
標高2857m。
初日は手前の山小屋
常念小屋2450mを目指す。
一応北アルプスだけど
そうキツイ山ではないらしく。
そこから穂高や槍が見えたら
もうけもん!と
計画したのは
2週間ほど前のこと。
雨とはいえ
木々に守られ
ひどく濡れることもなく
道も下調べ通り
険しくはない。
レインスーツは
蒸れる感じだけど
気温はそれほど高くもなく
間もなく現れた水のきれいさに
圧倒されテンションもあがってくる。
脚の調子も良く
テンポよく登ってく。
登るペースというのは
何度かの登山でわかってきていて
あまりゆっくり歩くのは
合わないので
へばらない程度に
速めに歩くのがいい。
今回も
そんなペースで歩いていると
B当からは
「速すぎます!」
「水飲んでいいですか」
との申し出が何度か。
あたしと同じペースで
水もあまり飲まないNNさんとは
ついひたすら前進してしまいそうに
なってしまうのだけど
そこを抑えてくれるのが
B当の役割で
逆に
少し無理させて
あたしたちのペースに巻き込むことで
B当自身が気付いていないパワーを
引き出すのがあたしたちの役割なのかな。
なんてこと思った今回の登山。
何度か
のろのろと遅い人にあわせて
だんごになっているグループを
追い抜かしたりしたけれども
やたらに遅い人にやさしいのも
良いとは限らないと思う。
そういう意味では
厳しいというか
人の面倒まで見る余裕のない
あたしとNNさんは
しばしばB当を置き去りに
進んでいったりするのだけど
B当は持久力もあるし
自分のペースを知っているので
あたしたちより
多少時間はかかっても
登ってくるだろうな、という気はしていて
心配もあまりせずにすむので
いいバランスのような気が
あたしはしている。

ゆるやかな森の道と
ごろごろした岩の上を歩く
どこもきれいな水の
沢超えを何度が味わい
雨もいつしかあがり
残雪が見えたりする地点にも到達する中
途中道を間違えそうに
なったりも。
足元ばかり気にして
がんがん登ってゆくあたしを
「どんだけガッツあるんですか!」
と、NNさん驚いていたけど
その時は
初のガールズ登山、
先頭でペースを作らなくては、
という意識がやはり
働いていたように思う。
そんな場面もすぎ
変な空耳から
「細マッチョ」とうちらの中では呼んでいた
「胸突き八丁」という
息もあがってくる地点でも
ちょっとキツくなるのが
むしろあたしには面白くて
ずんずん進みたい気分に。
だけど
ちょうどお年寄りを含む集団が
前方におり
細い道は渋滞状態。
ちょっと足止めを
食ったのだけど
今思えば
その休息もよかったのか
そのあと蓄えた力が
活躍することになる。
何度かちぎれそうになる
B当を待ち
休憩につきあったりもしていたけど
残り800mあたりから
一気に登りたくなり
「お先に」
と。
なぜか調子よく動く脚がおもしろく
少しあがる息も
ちょこちょこ休息を入れながら
抑えていたら
何人も追い抜かす
ハイペースになる。
こうなった時の
自分との会話が
登山のおもしろいところだと
あたしは思う。
「いけるか?」
「いける」
「まだ大丈夫」
「もうちょいあげるか」
「いいぞ、もうすぐ」
気付けば
頭上の木々がとぎれ
常念岳と思われる山肌が目の前に。
雨もすっかりやんでいて
「来たな」
って思う。
と、
突然猛烈な風が吹いて
道が終わり
「常念乗越」の看板。
風を受けながら
勾配を登ると
前方には
先端に雲はかかっているものの
アルプスの山並みが見え
少し下ったところに
突如山小屋の赤い屋根が見える。
右手にはカラフルな
テントの人たちも。
「着いたーーーーー!」
誰に言うでもなく
ひとり叫び
汗を急激に冷やそうとする
風に向かいながら
よろよろとケイタイを取り出し
撮ったのが
最初の写真。
山並みと看板が同じ高さになってしまい
いい構図とはいえないけど
この時の気持ちを
自分自身はっきり思い出せる写真なのだ。
とにかく
体を低くして
風をよけ
次に着くだろう
NNさんを待ちつつ
次の日登頂予定の
常念岳の姿を
やはりケイタイに収める。
間もなく到着したNNさんと
先に山小屋にチェックイン。
「本日混みあっており
一畳にお二人となっております」
はい~
覚悟はできております~。
遅れて到着した
B当と合流。
時刻は計画通りの14時。
ペースとしては
標準で来た模様。
いんじゃないの!?
とりあえず山上の生ビールを
いただきますか!!
ア○ヒでもなんでも
どんと来い。
おいしゅうございました!
しかし
限界というにはほど遠い
ちょっとの苦しみのあと
自然の中にありながらも
ビール飲んでぷは~
なんてやってる
自分を含む大人たちを見て
山登りっていうのも
ロクな趣味じゃないなって
ちょっと思った。
まあ趣味っていうのは
そういうものなんだろうけど
なんとなくイメージよりは
ずっとね。
期待していた
カレーライスは売り切れで
やきとりと
持参したかわきものなどを肴に
ノドをうるおしたあとは
濡れたレインスーツを
乾燥室へ干しに。
この乾燥室なるもの、
今回の山小屋で
あたしは初めて知ったのだけど
文字通り乾燥をする部屋で
今回のように雨の登山のあとには
大変助かる。
レインスーツや
登山用のズボンなどは
替えを持たずに行くので
次の日も着ることになるため
濡れたままっていうのは
ちょっとありえない。
おまけに
旅先ではちょこちょこ
あらいぐまのように
洗濯をするB当は
ここが気に入ったらしく
何度もこの部屋を訪れては
とっかえひっかえ
洗濯物を干していたのは
結構笑えた。
そんなことしてるうちに
17時50分夕食。
小屋到着順に時刻は決まるのだけど
この日2番目の回だったあたしたちの時間は
「2回戦」と呼ばれていたのが
ちょっと可笑しかった。
でも広い食堂で
「4回戦」まであったから
この日は収容最高の
300人に達していたのかしらね。
食事は
初めて泊まった山小屋の
ごはんの山脈の左右に
「カレー」と「ハヤシ」のかかっていた
乱暴なものとは違い
わりと上品なもの。
男性はコレで足りるのかな~?
って印象。
どちらかといえば
乱暴なものの方が
山小屋っぽくいいのにな。
食事のあとは
小屋に二箇所しかない
トイレや洗面所を
ささっと使用。
恐ろしく混みあうこともなく
流れる感じは
さすが山の人たちは
心得ているようなぁ。
なんて
感心したのは
実は束の間のことで。
21時消灯に向けて
それぞれの寝袋に潜り始めてから
ちょこちょこ不快なことがあり
女っていうのは!
ひとりのスペースが
少ないのは
わかっているのに
「陣地」を守らず
平気ではみだす人。
皆がこそこそ声で話をする中
声を抑えられない人、
がさがさ荷物整理をする人。
灯りが消えたあとも
トイレ行くのに
足を踏まれたの
謝らないだの
ぶつぶつ言う女もいて
ちょっと不快だったな。
ああいう時に
人って出るなぁ、と思う。
それにひきかえ
前泊したホテルで
思ったことだけど
3人1部屋に泊まり
順番に風呂を使った際
全員が気を遣って
使用したあと
水あかや髪の毛が残っていないように
きれいにしていたのが
印象的でした。
こういうことって
重要なんだよね。
他の人は
どうかわからないけど
あたしにとっては
こういうセンスって
すごく大事なので
そういうストレスを感じずに
すんだというのは
いい旅だったと言える。
さて
そんなちょっと
居心地の悪いこともあった
小屋の朝は
やはり自己中心的な
おばちゃんが
4時半から電気をパチン!
と点けたところから始まる。
早い人は
こっそり音をたてずに
部屋を出て行くのは
山小屋の掟でしょ。
びっくりした!
予想外に室温が高く
脱いでしまっていた
寝袋を頭からかぶり
もう少しねばって眠る
あたしたち三人の耳に聞こえたのは
強い風と雨の音でした。
続く・・・

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