やっと登ってやっと観た山


土曜は。
朝4:30に起きて
Tomの作った目玉焼きのっけごはんを
半分眠りながらかきこみ
5:40ごろ森下駅まで向かう。
まだ暗いけど
天気予報は晴れだって。
ふう、よかった。
酔っ払って落車して顔打ったり
雨降ったり
ヒルが出ると脅かされたり
いろいろ条件がかなわず
実現できていなかった塔ノ岳へやっと。
まあ先週来風邪をひいて
悪化する一方で木・金と欠勤したTomが
登れないかもという心配が
今回はあったのだけど。
自分も仕事激務で
ちょっぴり風邪もひいてて
たまたま呑みも続いて
踏ん張った一週間だったのだけど、
二人揃って、無事。
塔ノ岳は標高1491mと2000超えはしない山
なんだけれども
登山口の標高が低く
今回は標高差1200mを登らなくてはならない。
少し標高の高い登山口もあるのだけど
そちらはややまわり道をする分
行程が長い上
バスの便が少ないのでアクセスも難しい。
夕暮れが早いこの時期に
時間がかかるのは危険だし
9人もいれば全員が同じペースで歩けるという
わけでもない。
そもそも遅刻してバスに乗れないなんてことも
考えられる。
(前回あずさに乗り遅れたヤツいるし。笑)

もろもろ考えあわせて
今回のルートに決まったのだけど
ひたすら登り続けて
通称「バカ尾根」なんて言われている道。
どうなることやら。
新宿で乗り換えて小田急で渋沢へ。
手前の秦野駅あたりで
富士山が見えた。
近っ!!
こりゃあ幸先いいんでね?
渋沢駅からバスで15分の登山口を目指し
8:00前後に約束したメンツが集まる。
T腹さんの奥さんRカさん、I津夫妻、
遅刻常習犯Oちゃん、それにAっき~軍団3人だ。
渋沢駅は結構大きい駅なので
朝早いのにパン屋があいてたり
コンビニ類もあるし
トイレも改札の中と外にあって。
ちなみにバス停前にひっそりあるトイレは
まったく人がいなかったのでメモ。
トイレだけでなく
思ったより人も少ない中
臨時バスもでていたので
余裕で座って登山口まで。
登山口である「大倉」のバス停にも
トイレはあるし
売店もあって
食後のスイーツ買ってるやからも。
んじゃ
いきますか!
8:40ごろ時計をスタートさせ出発。
舗装道路を歩いた先に
右手に「塔ノ岳」の矢印。
土の道はきのうのちょっとした雨にまだ
しっとりしてる。
高い木のうっそうと立つ中を
ゆるやかな坂を登ってく。
最初のポイント雑事場の平まで40分。
足慣らしにはいい傾斜だ。

予定タイムより5分ほど遅れて
ポイント通過。
うっそうとした森は抜けて
木のすき間からは下界が近くに。
海も見えたりして
写真撮る余裕もでたり。

ところがこの次の一本松までが
いきなりレベルアップ。
岩がごろごろしていて
おまけに少しすべるので歩きにくい。
道はばが広くまっすぐなので
どこまでも続いて見える
終わりなき道・・・
おいおい、前情報にそんなの
なかったけど?
みんなの中に少しずつ
ペースの違いが生まれて
先に進む者、少し遅れる者、
写真を撮る者、
休憩しながらテンポを合わせてく。
と、一本松手前でTomが
ずいぶん遅れていたので
待っていると
「めまいがする、足も動かない」
って。
どうやら風邪で二日も寝ていたために
運動命令が脳に届かないらしい。
40分で着くところ
15分遅れぐらいに
テンポを落として
水を渡したりしながら
のろのろ登っていると
一本松でほかのメンバーが
待っていてくれた。
調子悪いと告げると
みんな荷物を分けましょうと
言ってくれて
ワインやらつまみやら
持ってくれ。
いや~ほんとに感謝です。
おかげだいぶ楽になったみたいで
最初は写真を撮る気力も
なかったみたいだけど
少しずつ回復して。
と、左側の木々の間から
富士山が見えた!

やった!
全景はなかなか見えないけど
白いかぶりたての雪の帽子がまぶしい。
4年前に近場の低山に登り始めたのは
年に一度の本気山のトレーニングという意味とともに
富士山を見たい、という目論みもあったのだけど
実は大抵天気が悪くて
実現していなかったのだ。
(箱根でさえ!)
だから今回は
「やっと」の思い。
富士山なんて都内の高いところや
ふいに電車で川を渡る時やなんかに
見えることもあるのにね。
少し元気をとり戻したTomも
ぱしゃぱしゃと撮り始めた。
道も少し勾配がなくなって
テンポがあがり
一旦ほかのメンバーに追いついたりも。
ここはほぼ予定時間の30分で
堀山の家着。
そこから天神平に向けて
岩や階段でキツいとのふれこみだったけど
恐れるほどではなかった、という印象。

写真撮ったりして
Tomとも離れ
少し遅れてるR香さんを待ったりしながら
ゆっくり登っていたら
いつの間にか
開けた場所に出て
富士山がよく見えるか?
と、期待したら
雲をかぶってた。
下山してくるベテランの登山者たちは
「富士山がいいのは8時までだね」
なんて言ってる。
う、うちらまだバスにも乗ってないよ。
さすが上級者は違うのです。
ああなりたいものだ。
それでも反対には相模湾が見下ろせ
うっすらと右手に延びて見える入江のラインが
鳥瞰図を見ているみたいで面白い。
海から急に標高があがって山になる地形って
何となく好きなんだよね。
吉田初三郎もこういうところでイメージを
膨らませたのかしらん。

開けた尾根を
写真におさめつつ
かなりペースダウンして登っていると
中学生の団体に抜かされたんだけど
歌とか歌ったりして
余裕のよっちゃん。
大人たちがみんな振り返り
「若いな・・・」とつぶやくのが
おもしろかった。
自分もその一人だけどね。
でもまああたしも
ゆっくりペースだったので
疲労はあまりなく
花立小屋に到着。





ここまで来ればもう
ゆるやかって書いてあったし
気持ちも楽になる。
さっき抜かしたR香さんの姿は見えないけど
「自分のペースなら行けそう」と
おっしゃっていたので
待たずに行くことにする。
待っていても逆にプレッシャーに
なることもあるものね。
あたしは自分では
常に8割ぐらいのパワーで
登ることにしてる。
いっぱいいっぱいだと本当につらい局面で
自分でオトシマエつけられなくなるからね。
でも今回は
6割?時に4割ぐらいまで
落として登ってみたら
これまた楽ちんなんだって思った。
結果的に
うんと遅れるわけでもないし
この方がもっと長く登れるのかもしれない。
おおぜいで登っていると
無理しないつもりが
ついひっぱり役を買ってでてしまうけど
時にのんびりでもいいのかな、と。
そんなこと考えたり
考えなかったりのひとり歩き。
こういう時間もまた良し。
金冷やしという
変てこな名前のポイントへ向かう途中で
「鍋割山」へ向かう看板を見つける。
I津夫妻は前の週にこっちに登ったって
体力あるなぁ、あの二人。
あっちは鍋焼きうどんの美味しい山荘が
あるあんだよね。
今度は宿泊もいいかも。
山小屋泊して縦走もいいなぁ。
とか、夢は膨らみつつ
昼食を捕ってるところを抜かした
中学生にまた追いつかれ
ともに頂上まで。
12時半ごろ、とうとう着きました!
先発隊がブルーシートを敷いて
火を炊いてた。
R香さんもそう遅れはせずに到着。
よかった。
まずはビールをいただいたけど
実はこの頃には雲行きが怪しくなってきて
気温もぐーんと下がってた。
でもこの日は火が三つもあって
どんどんあったかいものが出てくる。
Mグ作もつ煮(うまい!)
ホットワイン(寒いときはコレ!)
パンも焼いて。
(T腹さんちの近くのパン屋はやはり美味い)
エツコの唐揚もブロッコリーも焼いちゃえ。
え?ポテサラも?
パンにはさむのね、よかよか。
ほかには
Tomの作った焼き豚と
あたしはかぼちゃの煮物ポテサラ、
いつもの生ハムクリームチーズを持参。
まあでもこの日の主役はOちゃんで
なんてったって
登山用のストーブなんて甘いものじゃなくて
カセットコンロを持参!
まん中にどんと構えて
どんどん焼き物を出して
配給してくれた上
最後にはコーヒーまで淹れてくれ。
デザートのチーズケーキとか
うなぎパイとか
ふもとの手作りクッキーとか
いろいろ出てきて。
やっぱり低山は食事が命です。
おかげで頂上の看板まで
たどり着くのをうっかり忘れたあたし。
だめすぎる~。
しかし
雲行きあやしく寒さがひどくなってきて
絶対着ないと決めていた
ダウンもデビューしたけど
もー限界!
ってことで有料トイレに行って
(ここ、紙は持ち帰りです、ご注意)
下山開始。
のろのろと登った日だったけど
下山はやはりスピードアップ。
先頭を行く。
前を歩く人があきれてよけるくらいの速さで。
なぜか下山は100%に近いスピードで下りても
大丈夫なような妙な自信があって。
それでも一気に下りるとたしかに
単純な道で「バカ尾根」なんて呼ばれてるのが
よくわかる。
ただ今回は自転車で膝をやってしまった後だったので
用心してサポーターを左膝につけてきたので
こういう単純な下りにはかなり効果が
あったように思う。
それよりは足の裏の皮がむけそうな心配のが
途中からはでてきて。
それにしてもあたしがサポーター・・・
スポーツショップでゼムストだのリガードの何番だの
店員とやりとりしている姿が
我ながら笑えたな。
すぐ後ろを追ってくる
復活したTomの
カラビナとチタンカップのぶつかる音が
しなくなって振り返ると
「水」「水」なんて言ってるので
リュックのポケットから出してあげたりして
写真も撮ったりしていると
I津夫妻とOちゃん、Aっき~の弟あたりが
追いついてきて。
そのメンバーで
行きとは違った道にでて
眺望がいいとされるところまで出てみた。
16時近かったので
もう暗いかと思ったけど
ぎりぎり景色は見え。
ただ雲行きイマイチだったので
きれいな夕暮れには遭遇できなかったけどね。
まあ気分が変わっておもしろい下り道となり。
そこから高い木々の間を抜け
もとの道に戻った時には
暗くなってきていて。
ふと気付くと
ずいぶん後ろに追いてきたと思っていた
R香さんの後ろ姿が前に。
「R香さん!」
どうやら眺望のいい道の方は
相当な遠回りだったらしく。
バス停に着くと
Aっき~とTシがすでにいて
うまいこと全員集合。
バスにもまんまとすわれて
渋沢駅へ向かう。
駅に着くと呼び込みのお姉さんがいたけど
モル○だというので丁重に(?)
おことわりして
バスの中から見えた店
魚丸』という威勢の良さそうな店に
行くことにした。
サッポ○のにおいはしない街だけど
この店、ちょっとがんばってる感じしたから。
というのは
あたりだったみたいで
卓上コンロで魚をあぶったり
貝を焼いたりして
下界の宴会もまた楽し。
ハイボールには飽きて
地元の「菊勇」という日本酒を飲んだけど
おいしくてお代わり。
最後は鉄火巻きで〆て
山に来て海の幸まで!
という幸運に。
あとは小田急にもちゃっかり座れて
お家まで。
いやはや無事の低山部、富士山もやっと見られて大成功。
だったのだ!

恒例のラッパ屋


土曜は。
友人Yが制作スタッフである
ラッパ屋の芝居を神楽坂のFと二人で
観に行った。
演劇は苦手なあたしなんだけど
つきあいでなくこの公演は毎年楽しみで
どうやら震災の年以外は
2006年から毎年お邪魔している、
という話に終演後に呑みの席で
話題になった。
なもので、
でてくる俳優たちにもなんとなく
親近感を覚え
演技以外の部分にもたまに
くすっと笑わされたりもする。
今回の話は
サラリーマンのおやじが主人公で
世代間の感覚の違いから
自分の人生が良かったか悪かったか
いや良かったんでしょう、これからも
貫きますよ。
的な話なのだけど
もちろんあたしはおやじ側のスタンスだ。
鈴木聡という脚本家は
普段からそりゃそーだけど、でも
そうは思えない、けど
世の中そういう流れだから従っとくか。
というあたしの日ごろの小さな悶々野郎を
ぐさっというほど大胆ではないけど
ちくっと世間に仕返ししてくれるような
ところが共感できる。
たぶん一緒に観ているFや
今回は来られなかったTTやAも
そういう感覚が近い気がするのだ。
もちろん制作という立場であれYも。
そんなあたしたちの集まりが
はじまったのは高校を卒表してから
何度目かの同窓会。
お嬢さん学校のメインストリームな人たちの傲慢さに
あきれて二次会に流れ
大いに盛り上がったのだから
発端はまさにそういうところで。
今回の公演もそんな
シニカルだけど
まじめすぎるがために滑稽になってしまう、
そんなくすっと笑いをさせてもらった。
公演中、役員糾弾のビラがわりに
数人に配ってまわったティッシュを
手渡されるという栄誉(?)に預かったので
写真にアップさせていただきます。
ラッパ屋博物館でもできたら
寄付するよwww
追記:
そうそう、ラッパ屋ではいい音楽に出会うことも
何度かあったのだけど
今回は友人を弔って路上でめちゃくちゃ踊る中年たちの
ダンスシーンのバックに流れたのがかまやつひろしの
「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」で。
わ~ここですでに日本のロックは出来上がってたのね、
という感想を持ったあたし。
ダンス自体もなかなか格好いいシーンで。
Yと呑みの席で盛り上がったりもしたのだけど。
帰ってTomに話すと
「知らないの?」
って、すぐにネット検索して聞かせれくれた。
かつてバイクに乗っていた頃使用していたという
ゴロワーズの柄のメットまで見つけてきて
「これだよこれ。実際吸ってたしね」
だと。
うーむ、何でもよく知ってるし
何でも経験している男なのだ。
ちょっとクヤシイ。
まあいいや
かまやつひろしのイメージが
だいぶ変わった。
ってことで。

てめぇの言い分

自分が知っていて人が知らないことを
「教養」だとひけらかしてる時点で
教養ないでしょ。
おまけに
知らない人のことを
「教養のない人」とか見下してるような人には
あたしはなりたくない。
おまえの知ってることがすべてだと思うな。