メタルでキュートな50歳~四半世紀の時を超えて

ずっと気になっていた映画
アンヴィルを観た。
のっけからでら驚いた、
見覚えある映像、風景。
それは16歳、高校1年の夏
西武球場での野外フェス
スーパーロック’84でみた
アンヴィルの姿だった!!
お目当てはもち
違ったけどね。
スコーピオンズに
デビューしたてのボンジョビ。
そして何といっても
あたしのセックスシンボルは
デビカバだった。笑
アンヴィルの曲は
「スクールラヴ」しか
知らなかったな。
映像はすぐに切りかわり
カナダの田舎まちで
今はフードデリバリーの仕事をする
フロントマン
リップスの姿が映る。
いまや50歳になり
バンドだけでは食べられないから
クソみたいな仕事を・・・
なんてテレ笑いする顔には
まだ少年ぽさが残っているように見えた。
インディーズでアルバムを出し続け
たまにやるライヴには
コアなファンが来て盛り上がるけど
これでいいのか?
と、当初から組んでる
親友のドラマー、ロブと
グチったりして。
そんなところへ
何十年ぶりにツアーに出ないか、
なんて話がでるところから物語は展開。
ヨーロッパのフェスでは
かつての仲間や
当時共演を果たした
あこがれのミュージシャンたちと
再会が叶う。
バックステージで
興奮して近づくリップスに
無反応のマイケルシェンカーをはじめ
(きっとマイケルは
覚えてないんじゃなくて
ラリってるだけだよ、リップス。)
あこがれの人を見つけては
一ファンの目線で
自分の思い出を語りまくる。
「覚えてない」
「誰?」という顔をされても
怯まず、ただひたすら。
特に
トミーアルドリッジの手をつかんだまま
うれしそうに話す
リップスの笑顔は
ほんとうにピュアで
印象的で。
観て欲しい!
同じ年代のTwisted SistersのVoには
「変わらね~な~、
あの時と同じTシャツ着てるじゃねーか」
といわれていたけど
リップスという人は
ずっと変わらない人なんだね。
いい意味で!
そんなビッグフェスに始まったツアーも
行く先々で問題多発。
電車が満席で乗れなかったり
言葉がわからず遅刻して
ギャラが不払いになったり
それで大げんかしたり
仲間割れしたり。
何万も入る会場で
数百人の客だったり。
そんな時も
「俺たちがけんかしてもしょうがない。
聞きに来る人がいる限り
気持ちよくステージをやろう」
って目を輝かす姿は
とても50歳とは思えない熱さ。
すごいよな~。
結局
レコード会社の人が見に来るかも、
という期待もはずれ
長い休暇は終わり。
またもとの生活に戻る。
それでも
夢は捨てられなくて
せっせと曲を作り
地道に活動を続けて行く中
ふと自分のアルバムで
一番相性のよかった
プロデューサーのことを思い出し
連絡を取ってみる。
意外にも
話はうまく行き
一番の問題だったお金の工面もし
アルバムを作り始めるのだけど。
こもってるスタジオで
リップスとロブが仲たがい。
プロデューサーが
中に入り
きっとストレスがたまっているから
気持ちが昂揚してるんだと
リップスを諭そうとすると
「オレはロブ以外の
誰に不満やグチを言えばいいんだ、
ロブは家族で兄弟で親友で・・
こんなつらい気持ちをわかるのは
おまえしかいないんだよ」
なーんて、謝るつもりが
大泣きで感情が収まらない
まるで子供の50歳。
でもそんなリップスの純粋さが
すてきなんだよな。
その後
無事できた自信作のアルバムを
自らレコード会社に持ち込んだりするのだけど
評判はそれほどでもなく。
もう気の毒で
アルバムを即、買ってあげたく
なっちゃったよ!
と、そこへライヴのオファーが入るのだ、
日本からの!
はるばるやってきた幕張の大ステージ。
イベントの1バンドめだけど
客が入らなかったらどうしよう?
と、不安なまま
リハーサル。
そして
いよいよステージに飛び出してくと
・・・
待っていたのは
たくさんの日本のファン!!
腕をふりあげて
アンヴィルコールで迎えてくれた。
泣けた!!
あっぱれ日本のファン。
ちょっと誇らしかったよ、
なぜかあたし。
その後
アンヴィルは3度くらい
日本に来てるんだね。
今は聞かない音楽だけど
観たくなっちゃった。
この映画を観て
1stアルバム
(2枚めだそう、修正。)
「Metal on Metal」を買った人の
気持ちわかるわぁ。
がんばれ~リップス。
でもリップスは大丈夫だね、
ずっと変わらずに
音楽を愛して
ロブというよき理解者がいて。
いい映画です。
メタルが嫌いでも
きっとリップスの人柄に
きゅんとなる。

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