達成感なき山

土曜は。
ホリデー快速おくたま1号で
NNさんと待ち合わせ。
二人登山第二弾なのだ。
お天気続きで
油断していたら
怪しい雲行き・・・
登頂まで持って欲しいけど。
奥多摩の駅から
登山口までのバスは
まんまとすわれて
計画通り10時すぎに
雲取山山頂を目指して
歩きはじめる。
標高2017m。
標高差約1500mを登るのだけど
どこの登山口から行っても
時間がかかるのが
この山の特徴なのだ。
それだけゆるやかだって
ことなんだけど。
だから
なるべく早い時間に
登り始めたいのだけど
奥多摩自体なかなか遠く
あとは日没との勝負!
と、ぎりぎりのタイムスケジュールを
鴨沢の登山口から組む。
だいたい標準タイムで歩ける
自信はあるのだけど
そうは言っても
知らない道、
何が起こるかもわからない。
しかも単純に地図にある時間を足して
5時間半かかる計算だ。
不安を持ちつつ
早め早めを心がけ
つい前のめりになってしまう
あたしたち。
あとでバテないよう
押さえつつ歩くことも
同時に考えなくてはならない。
常に8割くらいの塩梅で
慎重に歩みを進める。
だけど
意外とまわりは
遅い人たちが多く
今までの登山で
追い越した経験はあっても
後から来た人に
追い越された経験は
ほとんどない。
両手にストックを持って
ゆっくり歩くスタイルが
疲れ知らずということで
流行っているようだけど
あんなテンポで一体
登頂できるの?っていう人たちが
結構いて心配になっちゃったんだけど
大丈夫なのかな。
まあでも
人の心配をしているほど
余裕がないのが
山登りで
自分の状態を把握して
ペースを作るのがおもしろい。
景色を見る
緑に触れる、なんて
言ってる人もいるけど
あたしの場合は
それとはちょっと違うかな。
ひとつひとつ
問題を攻略していって
時間や体力の管理をしながら
やり遂げた時の
達成感。
それがたまんないんだな。
ところが
今回のこの山、
その一番大事な
達成感」のない山
だったんだよね。
ずっとずっと
だらだらと続く道で
「そろそろキツくなるか?」
と、構える気持ちのまま
上に着いちゃった、みたいな。
ほんの数箇所
これは足が上がらない!と
高難度問題もあったけど
それもあっという間に
終わってしまう。
もちろんその時は
「これ以上無理!」とか
「続かなくてよかった」とか
思うんだけど
あとで思うと
そういう難所を乗り越えた
満足感、達成感で
非日常の歓びを感じるのだから
そういう意味では
物足りなかった・・・
お天気もずっとイマイチ、
白い雲に覆われた
かなしげな空だったので
それもよくなかったのかな。
まあでもカンカン照りも
いやだけどさ!
で、たどり着いた
山頂では
眺望は悪く
がっかり。
まあ
山小屋で飲んだビールは
美味しかったけどね。
でも
すごくきれいだという
評判を聞いていた小屋は
前回の月山が
すばらしすぎただけに
比べてしまうし
トイレや洗面が外というのも
ちょっと不便だった。
食事もね。
山小屋だから
期待しちゃいけないけど
この場所だったら
もう少しなんとかなるんじゃ?
なんて気持ちにも。
部屋は8人部屋。
常念の女子部屋の
ぎくしゃくに比べると
和気あいあいと
みんなでふとん敷いたりも
したけれど
なんとなくリラックス
できなかったのは
次の日のスケジュールも
あったのだけど。
実は
次の日は
同じ奥多摩方面に
降りるつもりが
ちょっと違うルートを
行きたかったので
そうするとバスが少なく
朝6時前には
発たなければならない。
その緊張もあって
食後はビールも飲まず
かといって
むやみに早寝して
変な時間に起きないよう
気を遣ってた。
結局
消灯の21時には
ふとんに入ったものの
人のいびきで寝られず
寝ついたのは23時ごろか。
「トイレに行こうかな~」
「でも外だしな」ということも
意識のはしにあったりもして
なんとなく浅い眠りに。
と、
気付けば
朝4時に一斉に電灯が点いて。
起きなくてはいけない時刻まで
まだあったけど
星でもでていればいいかな、と
さっさとトイレに立つと
何と外は雨。
ああ、恐れていたことが。
足元が悪くなると
標準タイムより遅れる可能性。
それでバスを逃すのはイタイ。
ということで
予定変更して
5時半に出発することに。
もともと朝食を摂ると
消化が落ち着くまで
出発できなかったり
効率悪いので
山小屋の朝食は頼まず
途中で行動食ですませる
つもりだったので
準備ができたら出発することにした。
レインスーツ上下を着て
ヘッドランプを頭に着けて
暗がりの中出発。
みなさん朝食中の
小屋で2, 3組めの出発だったので
小屋のおやじには
「早いね。気をつけて」と
声をかけてもらい。
ところが
小屋のすぐ近くの所から
行こうとしたルートが
雨で通れないことを知る。
地図を見直して
少し時間はかかるけど
遠回りして
足早にすすむ。
予想通り
雨で足元は悪く
歩きにくく
遠回りの分の時間を稼ぐのは
なかなか難しい。
それでも早く出発したのは
よかったみたいで。
時間が経つにつれ
明るくなってくる空、
ヘッドランプも
間もなく必要なくなってきたけど
それでも雨は弱まらず。
一度レインスーツででかけてしまえば
雨はそれほど気にならないといえば
気にならないけど
すべりやすくなっていたり
ぬかるんでいたり
足元への注意が必要で。
そんな中
途中の小屋から登ってくる
朝一番の人たちとすれ違う。
「おはよう、上も雨?」
「下もですか」
なんて会話を交わし
狭い道、ゆずりあって
すれ違いながら口にする
「ありがとう」の言葉が
あたしを浄化してくれるような
気になる。
中には
「もうすぐ小屋ですよ、
がんばって」
なんてうれしいこと
言ってくれる方もいて
ほんとうにはげまされるんだよね。
そういう意味で
山って不思議な空間なのだ。
たどり着いた小屋では
軒下をお借りして
水分補給、栄養補給。
人を送り出したあとのご主人と
また天気の話をしたり。
帰りのルートは
この三條の湯あたりまでが山道で
そのあとは10kmの林道で
一気に道はゆるやかで
単調になる。
この道がつらかったなぁ。
あきあきする、という意味で。
しかも
たまに出てくる
アスファルト部分は
長く歩いた足には
結構ダメージ。
それでも
バスの時刻があるので
ひたすら前進。
雨が弱くなってきて
ほっとする。
結局バス停には
1時間近く早く着くことができ
その頃には雨もあがり
バス停でレインスーツをぬぎ
靴もクロックスに履き替え
1本早いバスに乗り
奥多摩で合流することになっている
☆と連絡を取る。
下山後は
合流した☆とともに
マウンテンバイクを借りるという
我ながらハードスケジュール。
正午近くに
☆と合流し
駅近のレンタサイクル
トレックリング」へ。
今年の春に
一度乗りに来たことが
あったのだけど
お兄さんも覚えててくれて
相変わらず親切にいろいろ
アドバイスをくださる。
で、とりあえず
借りる前に
ごはんを食べた方が
いいのでは、と
提案していただき
近くの公園へ。
実は
☆にお願いして
ランチを用意して
来てもらっていたのだ。
手作りの
しょうがごはんのおにぎりに
煮たまご、
さつまいものポテサラ、
鶏ハム、
ブロッコリーの炒めもの、
きゅうりのしょうゆ麹漬け。
こんな贅沢って
あるでしょうか!
トイレの心配や
体が重くなる心配もあり
食事の摂り方も
気をつけていたので
このタイミングで
美味しいものを食べられるのは
大変うれしく。
ただこのあと
自転車に乗るので
アルコール飲めないのは
残念だったけど。
それから再び
レンタサイクル店に行き
いよいよ出発。
ヘルメットもかぶります。
以前行った
「むかしみち」を越えて
奥多摩湖まで。
バスで行くのとはまた
違う感じ。
マウンテンバイクならではの悪路も
おもしろい。
雨あがりだったしね。
疲れていたはずの足も
難なく動く。
使う筋肉が違うのか
ほぐされた感もあったりして。
1時間半ほど走って
奥多摩湖到着。
☆の食べるアイスもなかを
ひときれもらってリフレッシュ。
帰りは下りが多かったので
すごい勢いで戻り
「早かったですね!」と
驚かれ。
「あとは温泉とか?」
の質問に
「いや、もう立川で呑みですわ」
ということで
汗だけでなく
雨を浴びたおかしなニオイのまま
立川は「玉河」へ。
前回見つけた
立川の名店なのだ。
もちビールはサッポロ。
客はおやじばかりで
壁にはメニューの短冊が
山ほど・・・
二日間の疲労を
一気に流す。
我慢したビール、美味い!!
いつになく
脂っこいものばかり
がつがつ食べたあと
帰路へ。
風呂入って
またビール呑んで
洗濯して
次の日の
K原さんちでの家呑みに向け
料理をして寝る。
濃い土日だけど
楽しかった~
・・・達成感はなかったけどね。

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