北アルプス初体験②

窓から見える
雨の風景にため息つきながら
5時半に朝食に行ってみると
食堂は「2回戦」前の準備中。
ただ並ぶのも癪なので
前泊のホテルから
持ってきていたコーヒーを
お湯で溶かして飲む。
これはナイスアイディアだったな。
そうこうするうちに
食堂が開き
楽々朝食にありつく。
ちょこちょこと濃い味のおかずと
海苔やふりかけまであり
ごはんお代わり!
山小屋では
がっつりが
定番なのだよ。
食事のあとは
雲行きを見定めつつ
めいめいでかけて行く。
縦走の人たちは
そうゆっくりも
していられないのでしょう。
あたしたちは
この日は
目の前に見える常念岳を
あと400mほど登って
あとは下山するだけなので
雲が晴れるまで
粘って待ってみた。
たまに
空が明るくなったり
雲が動くのに
一喜一憂していたけど
やはり雨はやまず。
このまま常念岳に登っても
そこから間近に見るのを
楽しみにしていた
穂高、槍の山並みは
見えそうにもない。
そんな中
朝食後3時間近く経過して
いよいよ部屋を追い出された
8時半。
しょうがなくでかけることに
準備をはじめる。
常念岳を往復して
小屋に一度戻って来れるので
ザックは小屋に置き
「からみ」での登山。
レインスーツのポケットに
お財布とケイタイ、
手にはストックだけを持って
8:50いざ出発。
が、
きのう見上げた
目の前の常念岳さえ
白いもやに包まれたまま。
おまけに風が強く
雨が横殴りで
すぐにびちょびちょの
ぬれねずみ。
だけど
ここまで来て
登頂しないわけにはいかず。
頂上での奇跡にも
ちょっとだけ期待しつつ
登り始める。
小屋から頂上までは
木がなく
吹きっさらしの岩の道。
もやに包まれて
上を向いても下を向いても
白い風景の中
雨にほおを打たれながら
岩にマーキングされた
印をたどりつつ
一歩一歩登って行くと
次第に無心になるのが
この日は楽しかった。
次のマーク、
次のマーク・・。
そうやって登って行くと
脚があがり
どんどん前に進む。
そうやって
NNさんと二人
またテンポをあげて
前を歩く人を
どんどん抜かしながら
歩いていると
またB当がちぎれる。
「遭難する道でもないからいいか」
と、置き去りに登って行くと
突如現れた三股の看板。
そろそろ頂上に近いみたいだけど
風景変わらないやーん!
頂上は狭いと聞いていたので
見つけた岩のかげで
雨やどりしつつ
B当を待って
一緒に登頂したのは
予定通りの1時間後。
奇跡は起こらなかった!!
穂高も槍も
となりの山さえも見えましぇん。
とりあえず雨の中
ケイタイ濡らしながら
頂上の看板を写真に収め
下山開始。
前方白い風景の中
やはり小走りに降りて行くと
突然現れた山小屋の赤い屋根。
びしょ濡れのまま
乾燥室へ直行。
レインスーツ乾かしつつ
自分たちも乾燥されようと
乾燥室にねばり
うっかり肌までかぴかぴ。
カップ麺を食べる!と
騒ぐB当を制して
スケジュールをひねり出す。
今から3時間で降りて
下でお蕎麦でも食べた方が
良くない?
登山口にタクシーを呼ぶ
電話をかけ
14:20目指して
11:10ごろ出発。
前日登ってきた
同じ道を降りるのだけど
そちらはほとんど雨は降っていない。
だけど夜に降った雨のせいで
道はぬかるみ
乾いていたところに
水が流れて小川になっていたり
様子は変わっている。
そんな中
やはりハイペースで
がんがん降りる
NNさんとあたしに
「速すぎます!」とB当。
挙句転んでしまい
「脚がもつれてついて行けません、
先行ってください!」と
キレぎみの彼女を
やさしく介抱するでもなく
ペースをゆるめるない
あたしたちも
少し余裕持てるように
ならなくてはね。
だいぶ下って来て
沢の風景も
そろそろ終わりかなというところで
ふと立ち止まり
ただ猛烈に歩くのを反省しつつ
「マイナスイオンでも浴びようか」と
B当を待つ。
川の水は
ほんとうにきれいで
自然のミストシャワーが気持ちいい。
下る先には青い空が見えるし
下山のあとも楽しくなりそう。
もうひと頑張り!

一ノ沢登山口に着いたのは
予定通りの14時10分。
靴を洗う間もなく
タクシーに乗り込み
この日のお宿『常念坊』へ。
下界はほんとに
いいお天気なのでした。
続く・・・

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