パン食うつもりがクマに襲われる

何がきっかけだったかは
忘れてしまったけど
スティールパンのワークショップが
前を通りがかったことのある
岩本町のcafeであることを知り
月島のTTを誘って
申し込んでみた。
その日ライヴをやられる
アオキケンゾーさんが
ライヴ前に教えてくださる、
というもの。
いきなり教室に行く。
とかよりは気軽な感じがしたので
行ってみることに。
一番乗りだったのか
閑散とした店内。
はじめて入った店内は
DJブースありーの、
壁にはプロジェクターで
何やら流れてるし
ちょっとあたしたちには
若めなおしゃれ空間。
「ソファーバーって
くつろげないよね」
なんておばちゃん意見炸裂しつつ
すでに並んでいた
スティールパンを眺めつつ
腹ごしらえ。
そんな横で
アオキパン先生が
軽く叩いてまわる
その音がやはり心地良い。
時間通りに始まった
ワークショップは
ちょいマイナーな場所にあるし
ライヴ前の1時間だし
楽器をそろえるのも大変だし
どんな雰囲気なのか
想像もつかなかったけど
体験者は12人もいて。
そして
ちゃんと生徒さん用に楽器を
4つも用意してくださって
それぞれ3人マックスという状態で
変わりばんこに叩かせてもらえた。
近づいてみると
スティールの表面には
マジックで
「ド」「レ」「ミ」と
片カナで書いてある。
なるほど。
ここを叩くとこの音なわけね。
そんな知識も持たないあたしたち、
とりあえずスティックを手に
震えながらおそるおそる
その表面を叩いてみる。
ああ、でるでる。
質はどうあれ
場所を間違えなければ
ちゃんと音は鳴るのだ。
「ドレミファソラシドを
叩いてみましょう。」
に、始まり
叩きだすと、音の並びの
規則性に気付く。
「かえるのうたを
やってみましょう」
難しくない。
はず。
なのに気を抜くと
意外とわからなくなってしまう。
苦笑をまじえつつ
とにかく間違えないよう
マジックの字を追う。
「次はきらきらぼしやってみましょう」
これも難しくない。
はず。
なのに気を抜くと・・・
だけどそれも
何度も繰り返して
テンポもあがってくると
リズムをとりながら
また叩く角度や場所で
「いい音を出す」なんてことに
興味は変わってくる。
ある瞬間に
「きゅん!」
ってするような音をだして
どこか遠くの世界に連れてってくれるような
不思議な音域を持っている
スティールパン。
失敗しても「どこの世界?」
に行ってしまう危険もあるのだけど
そういう楽しみをはらんでる楽器だと思う。
その世界にどうにか近づくためには
ただ「叩く」という単純なこと、
というのも打楽器のいいところ。
そんなところを楽しめた。
何度か交代しながら
同じ曲を繰り返し練習するうちに
「じゃあこちらのグループは
伴奏しましょう」
と、パート分けをする。
するとまた
違う感じになるのだ。
同じ打楽器同士なのに
メロディとリズムに分かれるだけで
ハーモニーが生まれ
音楽として熟す。
さらにテンポアップしてみると
ちょっとしたグルーブも生まれる。
まだまだがちがちで
マジックの文字を追いがちな
ところはあったけど
それでもちょっと「できた感」も
味わえて
はじめて体験としては
満足の行くものでした。
先生も気長につきあってくださったし。
そのあと
パン先生と
サポートのガットギターでの
ライヴだったのだけど・・・
このギタリストゴンちゃんがすごかった!!
さっき体験して
そこそこしか叩けなかった
スティールパンを
パン先生がすばらしく美しく
叩く姿に感動したのも束の間
あっという間にそこまでの時間を
ゴンちゃんがひっくり返しちゃいました。
風貌は正に
「ゴンちゃん」という感じの
ずんぐりむっくりのクマちゃんタイプ
なんだけど(失礼!)
その繊細でテクニカルなプレイ。
だけど太い指で音に幅もでちゃう、
みたいな。
メロディをスティールパンで叩き
ギターはバック、、なはずなのに
完全に逆転してました。
(すいません、パン先生)
もちろんパン先生の音は
違う世界へ連れてってくれる音が
各所に散りばめられていて
自分たちが出せなかった音を
次々と出してくれる魅力はある。
だけど
ゴンちゃんのギターと来たら!
ギターという楽器の
無限の可能性のようなものを見た。
あたしもパンに浮気してる
場合じゃなくて
やるべきなのは
ギターなんじゃないかって。
久しぶりに
目をそらせない人に
会った感じ。
ところで
ライヴを聞きながら
いただいたこのカフェの料理も
なかなか美味しかった。
お店の人も
妙に物腰やわらかい
イケメンたちだったのだけど
それだけになんだか
もぞもぞしちゃうっていうか
おしゃれすぎて落ち着かないていうか。
結局
自意識過剰なのかね、
場違いな気分で
居心地悪いっていうのは。
誰もあたしのことなんて
気にしてないのにね。
そんな屈折した
気持ちの吐露とかもできて
結局はいい夜だったね~
なんだけどね。
そうそう、帰りがけに
店の前でうろうろしていた
ゴンちゃんに声かけてみたところ
「伝わりましたか!」
とのこと。
なんかその言葉もよかったわ。
またどこかで襲われたいな、ゴンちゃんのプ・レ・イに!

「パン食うつもりがクマに襲われる」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS:
    良い体験をされましたなぁ・・・。
    さ、秘蔵のピックでギター奏でましょうかねぇ(笑)。
    アレはもう、指輪を入れるようなケースにしまっちゃったのかな?(笑)。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    南球先生。
    いやー口だけで
    ギター弾いてないのバレバレですね。
    お恥ずかしい;;

南球 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です