彼女が遺してくれたものはこれだったのかも。

今日は。
北習志野まで
お通夜にでかけた。
先日急死した同僚の。
実はあたし
喪服は着物しか持っていなくて
しかも自分で着られないから
持っていないも同然で。
とはいえ、何もない時に
喪服を用意するのは
不幸を呼ぶ、という話も
聞いたことがあったので
同僚には失礼かもしれないけど
その時が来たのか、と
思い、ついに買いに行く決心を
したのでした。
ところが。
デパートって今、18時で閉店なのね。
かといってさすがに
安いスーツを売る店で
買う気にはならず
友人TTに電話してみた。
いやあ
持つべきは
近所に住む自分と体型が近くて
快くそんなことにも応じてくれる
気の置けない同級生なのだ。
・・ってまたまたピンポイントすぎ?
基本的に
人に借りを作るのは
すごく嫌いなあたしなんだけど
最近はかなり変わってきてるかも。
彼女やほかにも
特に中高友達なんかには
こういう無茶ぶりも
できるようになった。
たぶん
自分と同じことを
してくれるだろうなぁという
確信を得られているからかもしれない。
「いいよ、いつでも取りに来て」
という彼女のもとへ
美容院でカラリングした
遅い時間に訪れると
マスカットの甘い香りのお茶で
迎えてくれ
「バッグはあるの?
ふくさは?」
と、あれこれありがたいお言葉。
いやいやでなく
ほんとうに親切にしてくれる
この言葉に甘えてしまったよ。
その喪服を着用して
行った斎場で
まずは故人の感じのいい
長男次男の出迎えに
びっくり。
昨日もご遺体の面会に行った
うちの社長の顔を見つけて
すっとんできた。
彼女が彼らにどういう教育をしてきたか
彼女の家がどういう雰囲気なのか
一瞬で納得する瞬間。
こういうのってすごい。
斎場はあまりに
システマティックで
驚くばかりで
感傷にひたるすきも
あたえない感じだったけど
読経と焼香が終わって
やっぱりお顔をみて
ぐっときました。
ああ、こういう風に笑ってたよな。
って。
でも
最期は苦しまず
眠るように逝ったんじゃないかって
そう信じさせてくれる
顔をしていました。
そこで現地で働く
うちのスタッフや
あたしが立ち上げに行っていた頃の
職員の方たちにも
久しぶりに会うことができました。
こんな場面で久しぶりとは
残念よね、とは言いつつ
冠婚葬祭の意味って
こういうところにあるんじゃないかね。
でも
現地の子と話していて
彼女の逝く原因は
「過労」だったのだと悟り
愕然とした。
たまたまなんかじゃない。
もちろん地震が起こったのは
たまたまだけど
その後の現場での過度の働き。
それは普段から余裕がなく
ぎりぎりで働かされている状態で
さらに何かあった時の
会社の対応の悪さなんだとは
容易に想像できる。
「ご苦労だけどがんばって」
という一見心配しているようで
何のケアもしていない
うちの会社の、社長の、
大きな勘違いに基づいていて
そして今もそれに気付いていない
社長をとても危険だと
あたしは思っている。
悪気がないだけ
危険なんだよ。
亡くなった彼女が
現場でリーダーだったこともあり
その後の現場は深刻。
リーダー候補で
でもとてもそれを背負えないだろう
スタッフために
せめて帰りの電車で社長には
早く人材を確保するなり
誰かに仕事が集中しないようにするなり
して欲しい、とあたしから訴えたけど
「わかってるけどそうもいかないのよ」
=つまり「そうはいかないからたぶんそのまま。」
という危険なことしか
言えない人なんだな。
しょうがないので
ものすごく立場的にはおかしいけど
大学の職員(=お客さんにあたるけど)で
お母さん的にスタッフのことも
心配してくださる課長さんに
「個人的に」お願いのメールを出した。
少しでも「危険回避」できれば、と
思うのだ。
この課長さんは
今日も泣きじゃくるうちの
スタッフの子たちを
なぐさめてくれたり
ほんとうに頼りになる方で
垣根を越えてきてくださる
その人間力には敬服なのだ。
「貴女には今度はこんな理由でなく
ゆっくり会いたいですね」
と、あたしにまで
そんなお言葉。
今年はエアコンが効かなくて
その分ビールが美味しいでしょうから
ご一緒しましょう、と約束。
20歳も上のお方だけど
言葉の通じる人は通じる、と
あらためて確認することができたのも
亡くなった彼女が結びつけてくれた
「縁」なのかも。
ありがとう。
縁をひとつなくしても
またひとつ縁が濃くなったりするもの
なんだね。
追記***
もうひとつ失った縁があった。
この1年ちょっとカラリングを
やってくれていた門仲の少年が
3月いっぱいで退職してた。
若い子が多いところで
出入りが多い店なので
予約の電話で突然
「実は・・退職しました」
という場面に何度あったことか。
今回は入ったばかりの子だから
大丈夫かと思ったんだけど
まだはさみを使わせて
もらえない年代だったからきっと
「美容師」をあきらめたんだろうな・・
シャンプーバツグンに巧かったし
ブローもなれたところだったから
すごく残念。
何かを見つけてくれてるといいな。
K山、がんばれよ~!

「彼女が遺してくれたものはこれだったのかも。」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS:
    はぁ~、なんだか読んでしみじみとしてしまった。
    よかったね、とか言えることでもないしね。
    たかがブログの、ネット上だけの関係でも、ずーっと長らくその人の文章読んでるうちに、その人の人間性が(その多面的なところが)わかってくるものだよね。
    私も若いころは人に借りを作るの嫌だったけど、この十数年は借りばっかなような気がします(^-^;
    でもそのぶん、というかなんというか非常にオープンな人になりました。
    今はどこも大変な状況で働いているのね。
    でもって今回の震災でそれはもっと厳しくなりそうで、ますます大変。
    私も今日、友達と、なんで今はこんなに大変な人ばっかりいるんだろうと話しました。

    ベイベーさんもいつまでも若くないんだからね。
    自分の身体のこともたまには顧みるよーに!

  2. SECRET: 0
    PASS:
    soukichiさん、ありがとうございます。
    ため息までついていただいて。
    たぶん伝わっちゃってるような気がします、soukichiさんには。
    ブログの良し悪しってよく言われますけど
    あたしも文章読んでるとわかると思います、その人のこと。

    はーい、若くない若くない!気をつけますです。

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