それは、ありふれたやり方だけど


土日で。
本気登山@八ヶ岳。
一週間前に
電車をとろうとしたら満席で
予定よりだいぶ早い
新宿7:18発のあずさで茅野へ。
いつも山を計画してくれる
サル友の貝ちゃん、
その友だちのT升くん。
それに女子は安達太良と同じ
NNちゃんにB当。
いつも女子の面倒を見てくれる
「山猿」T中くんが来れなくて
少し不安だったけど
そこは貝ちゃんがフォローします、
と言ってくれたので
(言わせたので)
今年も挑戦することに。
このグループの登山に
誘ってもらうようになって早5年
夏に登った安達太良も軽めだったし
今回は人生最高峰。
実は結構ドキドキだったのです。
山は一度挑戦したらもう
引き返すことはできないのです。
自分の足でしか進むことも
戻ることもできない。
何においても自分に甘いあたしには
珍しく逃げ場のない挑戦。
一年にたった一度だけど
がんばってみよう。
そんなことで始めたのだけど。
一日目の土曜は
茅野からバスで登山口へ。
美濃戸口という登山道から入り
北沢コースでまずは
山小屋まで。
3時間と聞いていたので
この日は気楽。
道も歩きやすく
ちょっと勾配のきつくなったあたりは
テンポの早い男子たちからは遅れ
用心しながらのろのろ行っていたら
2時間ぐらいで着いてしまい
拍子ぬけ。
食事の17時までは
時間もあるし
お疲れビールでも、、と
見回すと生ビールの樽が
水につけてあり
横っつらには「サッポロ」の文字。
あうー!テンションあがるっ。
あんまり疲れてないけど
飲もう飲もうと大騒ぎ。
登山流行りのせいか
山小屋はいっぱいで
ツタンカーメンの姿勢で雑魚寝、
と聞いていたのだけど
5人で個室を与えられ。
しかも到着が早めだったので
今のうちに入った方が、と
すすめられて入った温泉は
貸切状態。
小ぶりのヒノキ風呂、
かなり快適です。
そしてすすめてくれた山小屋の人、
かなり感じいいです。
トイレは使用後の紙は
流してはいけない、という
ルールがあるため
においはきつかったけど
去年のようにそれを
持ち帰る義務はなく
それだけで十分。
しかも掃除もマメにやっている
みたいだったし。
風呂あがりに
外のデッキで
5人で生ビールで乾杯。
山で生飲めるっていうのも
すごいよね。
かなり近くまで
車で来られるせいらしいのだが。
荷物を最小限に、のはずが
実は酒盛りを予想して
ちょこちょこ持ち寄った
つまみを並べて昼ビール。
黒ラベル様、
こんなところでお会いできるとは!
の、感動でお代わりもし、
小腹がすいたので
カレーライスもオーダーして
みんなでつつく。。
明日登る山を見上げながら。→
しっかり飲んだあとは
部屋でだらだらしていると
食事の時間。
食堂でほかの宿泊客も一緒だけど
手際もよくって
去年のカレーとハヤシを
ごはんにかけるのみ、
という食事とは違い
デミグラビーフと野菜サラダ、
ごはんにポトフにフルーツまで、
といった充実ぶり。
しかもここに生ビール。
やるねやるね。
そりゃあものすごく美味しい!
というものではないけれども
下界の生活に近ければ近いほど
ほんとうにありがたい、と。
いや、ポトフについては
かなり美味しかった、と
書いておこう。
食事のあとは部屋でまただらだら、
あとは21時の消灯まで
飲むくらいしかやることもないので
缶ビールを買い足し
貝ちゃん持参のグレンリベットなど
ちびちびやりながら
とりとめもないおしゃべり。
なんだか、普段と変わらない
呑みっぷりだな。
疲労はしていないと
思ったけれど
前日三時間睡眠だったせいもあり
消灯後すぐふとんに入り
苦労することなく
眠りにつきました。
夜中何度か目が覚めることも
あったけれど
またすぐ眠れて。
やはり疲れたのでしょうか。
何度目かに目覚めた時
ちょうど貝ちゃんが
立ち上がってトイレに行ったので
面倒だけど自分も行っとくか、
とヘッドランプをかけて
ふとんを出たものの
山小屋の廊下は
暗めの灯りがともっていて
足元に神経を使うこともなく、
そんなところも行き届いた
小屋だなーと。
トイレに行くと
もうでかける準備の人が。
日の出でも拝みに行くのでしょうか。
用をたして帰ってくると
貝ちゃんが
「姐さん、星見えるで」って。
外に出てみると
あー!見えます!
東京でも見える大きい星のほかに
「星屑」が。
だけどめがねがイマイチあっていないのか
以前見たような感動には及ばず。
たぶんほんとはもっとすごかったんだろうな。
ちょっとそれはくやしい。
満足して寝床に戻り
2時間もしたらもう
起きる時間。
朝5時です。
5時半の食事には
長蛇の列だったので
部屋で待機して
6時ごろ朝食を。
焼鮭にごはん味噌汁。
もちろんごはんはお代わり。
朝からがっつり、は
あたしのモットーです。
特に山の朝は。
朝食後続々とでかける
人々を見送り
スロースターターなうちらは
7時すぎに出発。
いきなり一番の登りと聞いていたので
かなりビビった状態で。
去年は朝一に
空身で火打山に登ったのだけど
その時かなり遅れをとり
のろのろになってしまったという
経験もあり
さらに用心して登ることに。
貝ちゃんたちは
年間何度も登る人たちだし
かなりペースは速い方だと思う。
それについて行こうとして
スタミナを失うのは
危険だし
彼らが見えなくなっても
焦らないように、
って自分に言い聞かせて。
木々に覆われた道で
太陽が直接あたらないので
暑さによる疲労は
避けられてるみたい。
思ったより
最初の急勾配、と思われる
きつい場所はなかなか出てこない。
「いつ来るんだ?」と覚悟しながら
ゆっくりめを心がけて登る。
それでも
先に出て行った
遅めのグループを
いくつか追い越す
ペースではあったらしい。
「とうとう来たか?」
と、前に進むのが
つらい時間は10分ほどあったけど
朝一はカラダがほぐれてないというのもあるらしく
結局その程度で
[#IMAGE|c0049455_22281858.jpg|201009/20/55/|right|150|220#]切り抜けて最初の頂上
硫黄岳の山頂に到着。
写真を撮ろうと
ケイタイを出すと
たまたまアンテナが立って
留守電が入ってるのに気付く。
聞いてみると父から
「折り返し電話しなさい」と。
前日母からも「腕をケガした」と
ギブスの写真が送られてきたのだけど
電波がなかなか通じず
返事もしていなかったので
その山頂から電話してみる。
母のケガは大したことはなく
だけど反応のないあたしの方を
逆に心配して電話をくれたのだという。
「今、山登ってんねん、
降りたら電話するわ」と言うと
「やっぱり山かー。
生きてればいいんよ」
と、逆に負傷してる母に
心配される始末。
なんだか情けないなー。
そこからは
尾根を登っての縦走。
見上げた先に見える
尾根の岩肌がなんだか
ワイルドでかっこいい。
あそこ歩くんだー。
でも全体的に
高低差はあまりなさそう。
両側に同じような高さの山の緑と
その上に拡がる抜けるような
空を見ながら歩く。
こんな空はやはり
ここまで登らないと見られないのです。
こんな青い空は。
ここらの登りは
細かい砂利で
歩きにくいところもあったけど
そこは小刻みに歩みを進めれば
それほど疲労はなく。
ここもかなり用心して
自分のペースを保ったのが
よかったのか
次の横岳のピークも
いつの間にか到達。
自分の体と相談しながら
水を摂ったり
行動食をかじったりするのだけど
普段その辺り、無頓着なあたしには
こういう自分への気遣いも
山登りの醍醐味だったりする。
自分で用心して
自分で責任とるために
自分に自分の体調をたずねたり、
なんてことが。
まだ行ける。
だけど行きすぎるな。
そんなこと
頭の中で繰り返しながら
進んで行く。
時にここと同じぐらいの
急勾配を登っていた
自転車乗りたちの姿を
思い出したりもして。
とはいえ
キツイ道ばかりじゃなくて
思わず小走りしたくなっちゃうような道とか
鎖につかまって
岩壁をつたって降りるという
あたし好みの楽しい道もたくさんあって。
元お転婆娘の血が騒ぐのです。
だけどそういうところで
苦心してる女性とか
年配の方とかがいて
渋滞する、なんて場面も今回は多く。
また反対側から登ってくる人との
すれ違いに譲り合いで
待つ、なんてことも。
結構世の中には山登る人って
いるもんなんだよねー。
さて
いよいよ残すは赤岳の頂上、
という場所まで来ると
風が強くなってきて。
前日買ったパタゴニアの帽子の
首の紐がありがたいこと。
帽子は熱をこもらせて
汗だくになるので
ほとんどかぶらないけど
尾根は日よけがないし
風が強いところでは
髪も邪魔になるので
この買い物は正解、と
ひとりほくど笑んでいたことは
仲間も知らない。
あはは。
赤岳のピークの手前の
赤岳山荘で昼ごはん。
おでんを頼み
ビール、、と行きたいところだったけど
まだ先は長いので我慢。
ささっと食べて
最後の登り、赤岳に臨む。
ピークにむけて登る道を
ペースあげて登りたいという
彼らを先に行かせて
やはりマイペースで登る。
用心、を心がけていたけど
思ったより足が進む場面も
あったりして
最後だし行っちゃえ!と
数人追い抜かすのも
ちょっと小気味よかったりして。
かなりいい気分で赤岳の
山頂到着。
2899m。
ゼロメートルから登ったわけではないけど
思ったほど疲労もなかったので
若干拍子ぬけした感じはあるけど
やはりうれしいもので。
ただ太陽がまだまだ
暑く背中を射すので
休憩も早々に
下山することに。
鎖をつたい
ストックをつきながら
すべる砂利と闘いながら
下山し始める。
実は下山の方が
踏ん張るので
足を使っているみたい。
今日の筋肉痛も
そのせいのような気がする。
ももの前側のこのハリは。
だけど最初のポイント
行者小屋までは
やはり難なく到着。[#IMAGE|c0049455_22314476.jpg|201009/20/55/|right|150|220#]
高度もかなり降りたらしい、
と聞いたので
ここでビール注入。
だってここにも
黒ラベルがあったんだもん。
さすがに生は我慢して
350の缶にしたけど。
でも歩いてきた道は
見上げるとなかなか険しい。
がんばったんじゃん?
ご褒美ご褒美。
そこからは
一気に降りるぞー!と
離れて歩いていた五人が
団子になって下山。
トップを行くT升くんが
調子よかったのか
かなりのペース。
走るぐらいの。
何人も
何十人も抜かした人や
すれ違う人たちから
「速い・・」と
つぶやかれるほど。
かなりきつかったし
こんなに速く行くことに
意味あるのか?と
思いつつペースを
落としたところもあったけど
ほとんどの人よりは
かなり速いペースで
駆け下りました。
おかげでビールは
すっかり抜けましたよー。
そのペースで
行きに北沢コースに分岐した小屋に
着いたのが15時すぎ。
やっとここで彼らも
ビールを口にし
あとは16時半のバスに間に合うよう
車道に沿った道をさらに下山。
でも実は
こういう砂利まじりの道を
彼らと同じペースで歩く
この時間によく
疲労がでて
足の裏の皮がむけたりする。
全員で談笑しながら、という
余裕はあるものの
ほんとに最後まで
油断はできないな、と
実感します。
そして
バスにも間に合い
うまいこと全員座ることもでき
とりあえず茅野駅まで。
すぐに来る
特急もあるけれど
指定をとっておいて
タクシーで近くの温泉施設へ。
ひとっ風呂浴びて
向いのハンバーグレストランで
ビールがぶ呑み。
アサ○だったけど
さすがにがぶ呑み。
そしてハンバーグに
食らいつきました。
普段より飲んで
普段より食べて
これではカロリー過多のような
気がしますが。
あとは電車の中で
と、駅に向かうも
茅野駅では
やはり売店は閉店。
もー!どうにかしてよ、
地方の駅、、と
今年二度目の雄たけびをあげ、
車内販売を待ちに待って
旅最後のビールを頂き
無事に帰宅。
家ではちょうど
ブエルタが始まる時間で
優勝の決まったパレード走行を見ながら
ああ、今年の夏も
いろいろやりましたねー!と
黒ラベルでしめる。
高い山だと思って
用心しすぎて
あまり「無」になる
瞬間のなかった今回の登山だけど
それも山の教えのひとつかもね。
なんてこと思いながら。
しかし
この遊びは
何しろ達成感はあって。
でがけの朝の電車では
でかすぎて恐縮していた
大きなザックも
帰り道では誇らしげにかついて歩く
あたしなのでした。
つまり。
ザマーミロ!
いろんなこと!!
そんな感じ。

「それは、ありふれたやり方だけど」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS:
    ねーさんにあんなに体力があるなんて。。。
    私は全然ついていけませんでした。基礎体力作りをせねばと実感。あまりの筋肉痛で階段下りるところげ落ちそうです。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    B当。ちゃんと下山できたし、あたしより元気な時間帯も
    あったじゃない。さすがスポーツやってきた人は違うな、と
    B当とNNさんを見ていたよ。

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