夏の宇ち入り!

きのうは。
やっと夏休み。
休んで何してたかってーと・・・
宇ち入りしてきました!
そう、立石のもつの名店『宇ち多』へ。
といっても
こちらにこだわっていたわけでなく
単に下町(って自分も下町だけどもうちょい東ね)
を開拓したいと渋谷のYと話していて
そういや同じ中高友のYネが
もつ食いに行ったとかいう話を思い出して
オファーしたところ出てきた名前がここ。
「でも半休とらないとだめだよ」って。
今年はエゾにチバが出なかったら
夏休みをとるきっかけがなくまた
今月第一回納品の和古書の仕事も
なかなか先が見えなくて
とりそびれていたのだけど。
ならば夏休みとって立石で遊ぶか~。
と、日程を合わせる。
ところが先週末に
肝心のYネが「忙しくてぎりぎりまで
スケジュールがわからない」と言う。
ならば、初心者だけどYと二人で
開拓するかーと、ちょいとネットで
調べてみることに。
と、なんと!
『宇ち多』に入るには平日の昼でも
行列必至。
メニューがなく
なにやらお決まりの呪文のような
オーダーの仕方で注文をする。
焼酎を梅で割った「ウメ割り」が人気。
だけど常連でも5杯で打ち止めになる。
『宇ち多』に行くことを俗に
「宇ち入り」という。
・・などどなんだか素人には
敷居の高そうな店だ。
Yの方もYネが来なくても
行きたいという気持ちはあるものの
不安があったらしく
「ネットで勉強したよ、
レバナマ、モツフワ、
ハツシオワカヤキオス!」
などど、いくつか呪文も
マスターしたらしい。
じゃ、いざとなったら
よろしくね。
なんてこと言い合ってたら
前日に「半休とれた!
15時立石でどお?」
とYネから連絡で約束成立。
だけどもう、
休みとなったら
朝からでも昼からでも
呑みたいYとあたし。
「早めに行かない?」と
Yが打診してきた頃
ちょうど銀行に行く、という
平日休みならではの用事が
すみそうだったので
「じゃー昼メシ食おう!」
と、まずは12時神保町で。
ここんとこ
無性に食べたかった餃子と
麻婆豆腐という定番を
白山通りの『三幸園』で。
腸詰があった気がしたんだけど
気のせいか。
ま、そんなものつまんで
呑みすぎちゃ、『宇ち多』に
入れないかもしれない、、
と、ネットで得た
「飲んでる人おことわり」
なんて情報にもびくびくしながら
ジョッキ一杯と、瓶だし紹興酒を
ロックで頂く。
呑みすぎちゃいけない、
と思うとなんだか
手持ち無沙汰になり
「じゃ、立石に行ってみるか」
と席を立つ。
半蔵門線に乗って行ったのだけど
押上が錦糸町の隣りだなんて
知らなんだ!
近所じゃんっ。
しかもそこから立石は京成で4つ。
めちゃ近い・・・
だけど
降り立った立石はやはり
見慣れない町。
しかも降りる人なんていやしない。
こんなところに
常に行列してる店があるなんて
とても思えない!
という考えは
駅の階段を下りて
すぐに見つけた仲見世商店街に
足を踏み入れた瞬間に捨てました。
ほ、ほんとだ。
行列の後ろから
のれんごしにうす暗い店内を覗くと
満席だってのに店内は水を打ったように静かで
異様。かなり異様だ。
こ、こんなとこで
あの呪文を唱えるなんて無理!
ひるんだYとあたしは
とりあえず町になじもう、、と
商店街や駅の反対側も偵察。
いやーとにかく飲み屋が多い。
しかも小さくて古くて
やってんだかやってないんだか
わからない、みたいな。
そんな中、
ヒトのブログで見たことのある店や
ちょっとひっかかってた『鳥房』など発見。
だけどここも入りにくい雰囲気だなぁ、、
なんて思っていたらもう町を一周した模様。
これ以上飲むのは危険だけど
でもYネが来る15時まではまだ
1時間もあって
時間を潰すといったら飲むぐらいしか
方法を知らない。
と、Yがやはり
ヒトのブログで知っていた
『二毛作』があいていた。
ここはオープンだし、客も若いし
入りやすそうだ。
とりあえず飲ませてもらおう。
と、予想通り気さくな感じの
おにーちゃんが
「カウンターどうぞ」って。
残念ながらビールは黒系か
モル○とアサ○だったので
ハイボールを。
Yはバスを飲んでたんだっけ。
まわりのみなさんが食べている
名物と思われるおでんや
カレーもおいしそうだったけど
ここは我慢。
酒も一杯でねばる。
やっと時間がきて
Yネを迎えに立つと
ちょうど『宇ち多』の前で遭遇。
並んでる客はうちらの前に二人。
5分もしないうちにのれんの内側に
もぐりこむと中は
おやじおやじおやじ。
そういう店に慣れてないわけじゃないけど
やはり少し雰囲気が違う。
そんなあたしたちをみて
「三人?」と面倒くさそうに
椅子を出してテーブルの端におく
強面のおやじ。
・・よかった二人以上の客は
とりあえず離れてすわらされることも
あるってあったけど
押し込んでくれた。
と、第一関門突破と
胸をなでおろして席に向かうと
意外にもおやじが
「ごめんねー狭くってねー」
と、やさしい言葉で肩透かし。
え?
びくびくしながら
瓶ビールを頼むと
さすがに二回めの余裕か
Yネがオーダーしてくれた。
「レバーの生とはつの生!」
・・なんだ呪文じゃなくてもいいのか。
「何本?」「どっちも二本?」
と、ちょっと厳しい口調のおやじにも
ひるむことなく挑むYネ。
Yネがいてよかったーーーーー!
と、まじで感謝。
間もなく届いたふた皿。
「!!!」
なんですかこの感動的な肉は。
とくにはつの歯ごたえときたら。
まじで美味い。
と、食べてるそばから
お会計すませた人を出すのに
立たされたり詰めさせられたり。
だけどそんなことしてると
いつの間にか気分もなじんできて
二人は名物の「うめ割」を
早速飲んでる。
こいつがすごい。
皿に載せたグラスに
焼酎をどぼどぼと入れ
そこに梅のエキスを適当に注ぐ。
それをみてとなりのあんちゃんが
「俺ももう一杯」と言ったところ
「今日はもう終わり」なんて言われてる。
「いいじゃん、決めごとは決めごとってことで」
「いやだめだ」と言い合いが続いたあと
「じゃあ半分だけ」と注いでもらってる。
おお、うわさの最後のお願いがコレか。
それにしても
14時に見た異様な雰囲気はなく
店のおやじたちも
「あれ、こっち渡したっけ」とか
「そっち頼んだー?」と
ゆるい感じ。
そんな風景を見つつ
皿があきそうだったので追加。
なんてったって追加しようにも
テーブルがとにかく狭い。
「アブラ、塩で、お酢かけるやつ」
「もつ煮、フワあります?」
と、オーダーはYネにまかせていたら
この「フワ」にとなりの若いあんちゃん反応。
「女性なのにフワいけるんですか、
渋いですね」
なんてことから、となりのあんちゃんとも
何回めだのどこから来ただの話しはじめ
そうなるとその向こうにいるお客さんも
話しかけてくる。
ご夫婦二人連れの奥さんの方。
「すごいわねー顔色ひとつ変わらないのね」
と、うめ割りをお代わりするYとYネに
感嘆の声。
そんなところへ次の客が入ってくると
自然会話にも入ってきて
今度はこちらが新しいメンバーに
「よくいらっしゃるんですか」
「半休とらないとこれないんですけどね」
「私もです!」
なんてことでわいわい。
なんだ、全然敷居高くないじゃん。
このウェルカムな感じ、すごくいい!
かしらのタレを頼み
話に夢中になり
箸が止まっていたところ
すかさずおやじが
「今日はもう終わりね」って。
「まだ2杯ですよ」とYが抗議するも
「だめだめ時間がね」と
おやじも譲らない。
まあでもそれも厳しい感じではなく
常連さんとの言い合いと同じ口調だし
こちらのペースをみて
言ってくれてる模様。
たしかにお腹いっぱいだし
これぐらいがいいのかも。
ぶつぶつ言いつつも
なんとなくこの雰囲気に
なじめたのがうれしく思いつつ
お会計。
会計がまたすごくって
積み上げた皿の数と
瓶ビールの数と
あとはうめ割はおやじの記憶。
うちらは皿5枚だったけど
となりの若いあんちゃんは
10枚ぐらい積んでた。
それでも大した値段じゃ
なかったと思う。
うちらもひとり1000円ぐらいだったのかな。
しかし『宇ち多』が
名店といわれるわけが
わかりました。
それは値段や味だけじゃなくって
この居心地のよさ。
なんつーか
ただ居心地がいいのとも違うんだけど。
美味いもののためなら
ちょっと厳しくみえる
その規律に従って
ハメをはずさず飲む、
そういう客が
集まってるからかもしれない。
簡単に飲める場所なんて
いくらでもあるわけだし
それなのに
わざわざ並んでもまた
来たくなるっていうのは
それなりに理由が
あるのだよ。
すごいね。
何よりそれを知れたのが
よかったかも。
「じゃあ次は鳥房かな」
と、伝えてもないのに
Yネが望み通りのことを言う。
訪れた『鳥房』は
偵察した開店前とは違って
扉は開けっ放し
風がのれんを揺らしてる。
外のベンチいたご婦人が
「一人まだ来ないから
お先にどーぞ」と言ってくれ
すんなり座敷に収まる。
「鳥の素揚げ」
「大きいの?三つでいいの?」
と、Yネが店員とナゾの会話をしてる。
よくわからないけど
三つも頼むの?
まあいいや、それで。
とにかく
お腹がいっぱいだったので
ビールはいいや、と
Yはひや酒を
Yネとあたしは赤ワインを。
瓶のそいつはくせがなく
意外とよかった。
畳に足を延ばして
『宇ち多』の緊張感も
開放する。
最後は楽しめたものの、
いろいろドキドキしたもんなー。
トイレも行くか。
『宇ち多』じゃとても
トイレのことなど
聞けない雰囲気だったもんな。
しかしこの店はトイレ、
わかりにくっ!
一度外に出るんだけど
先に行ったYから
「水沢さんちだから」
と聞いていたからわかったけど
普通この扉開かないでしょ、
という場所。
ったく笑わせてくれるなぁ立石。
そんなことしてると
隣りにさっきのご婦人が。
「もうひとり来ないのよー
ボーリングで」
と、どうもその発音から
コリアンのよう。
二人も同じものを頼み
どうやら時間のかかる
そいつが来るまで
やたらうちらに話しかけてくる。
ノリは関西人のおばちゃんみたいだ。
どうやら50代と70代の姉妹
らしいのだけど。
Yのことが気に入ったのか
日本酒をご馳走してくれました。
さて
胃腸を整えつつ
控えめにワインを飲み
だらりんとしていたら
来ました!
でっかい鶏もも!
素揚げといって
低めの温度でじっくり揚げるのだそう。
へぇ、この店ひっかかったけど
これが名物なんだ。
Yネがいなかったら
絶対食べてない。
その巨大なもも肉を
店のおばちゃんが
ナイフで軟骨ごと
ざくざくと切り分けてくれる。
すごいこれ美味い!
外がかりかり
中はジューシーってさ、
ありがちだけどほんとそんな。
特別な味付けはないんだけど。
おなかいっぱいだった
はずなのに、ほねまでしゃぶって
ペロリ。
気付けば
いつの間にか店はいっぱいで
老いも若きも
全員がそのもも肉を食べてる。
すごい風景だ・・・
しかもまた外には人が
並んでいる模様。
また食べたら出なきゃな雰囲気?
と、店をあとに。
どうしようかーと
時計を見るとまだ18時。
信じられん!
すばらしき平日呑み。
おなかいっぱいだけど
まだ帰れないなーと
うろついていて
結局『二毛作』に戻ろうかってことに。
「二毛作だけに」
って、ギャグもすっかりおやじですよー、
なうちら。
先客二人のところに
ワケ知りですわりこむと
店のおにーさん
「あれ、おかえり」
て。
いいね、立石デビューの日にして
「おかえり」なんて
うれしいお言葉。
「どういうスケジュールだったのー」
いかにも一見とはわかったので
『宇ち多』帰りに寄ったのだろうと
思っていたけど
飲めそうなのにやけに
軽く帰っていったな、と
疑問に思ってたのだそうな。
はは、そりゃ宇ち入り前だもの。
とはいえまた
名物のおでんは食べられないのだよー。
コーヒーリキュールでカクテル作ってもらい、
Yはにごり酒、
Yネは赤ワインを。
『鳥房』に行ってきたというと
「あの鳥ひとりひとつずつ食べたの?」
と、となりにすわる常連さんに驚かれ。
・・・何か?
全然いけました~♪
それからここ『二毛作』も
人が入れ替わり
人がどんどん増えて行く。
日本のシングルモルト
「イチロー」を二種類いただき
となりの常連さんやら
向かいの常連さんやらと
とりとめもなく話をする。
お店のおにーちゃんひとりが
ぎりぎり通れる隙間をあけて
向かい合ったカウンター。
これまたこの近さが
知らない人同士の会話をすすめ
なかなか楽しかった。
うっかり長居してしまい
「あの予約が入ってるので」
と、遠慮ぎみ言われてやっと
気付けば3時間ぐらいたっていた。
つまみもまったく食べず
居座ってしまい申し訳ない。
行列する人がいなかったから
気付かなかったけど
ここも回転よくさくっと
出ていかなきゃいけない店だったのかも。
でもここも居心地よかったんだもん。
ごめんよー。
今度はメインメニューのおでんを
頂きにリピートしたいもんだ。
あとで調べたら
お店の方相当お酒も詳しいみたいだし。
そのあとうっかり
別の呑み会に吸収されそうに
なったけど微妙なタイミングで帰宅。
でもよかっただろ、
やはり長時間呑みは疲労がたまる。
しかもきのうの酒の種類がすごい。
ビール
紹興酒
ハイボール
ビール
赤ワイン
コーヒーリキュール
シングルモルト
でも最後にどうしても
我慢できなくて
家で缶ビールあけたあたしはやっぱり
黒ラベラーなんだな。
いい夏休みでした!
こんなロクデもない遊びに
つきあってくれるロクデナシな
友たちに感謝しつつ。
そして
立石、気取りのない町ですてきです。
っつーか、一日長いと日記もなげぇ。

「夏の宇ち入り!」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS:
    先日は、お騒がせいたしました。立石へお越しの際は、どうか二毛作をお忘れなくであります。
    追伸)のらくロードでお見かけ致しましたらそのまま通りすぎます(笑

  2. SECRET: 0
    PASS:
    バタリ庵どの。
    じゃあ、のらくロードではそっとしておきますので(笑)
    また二毛作でお会いできたら、よろしくです。

Mr.B@バタリ庵 へ返信する コメントをキャンセル

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