山形の思い出し話②~ガタラーになる!

朝は誰ともなく起き出して
朝風呂へ。
朝は朝で気持ちいーんだよね。
朝の光って独特。
また豪勢な和の朝食。
[#IMAGE|c0049455_2347829.jpg|201005/20/55/|right|220|150#]・庄内産ほうれん草
・うどきんぴら
・出汁巻き玉子
・するめいかのお刺身
・焼き物(魚、なんだっけ)
・自家製豆腐
・特別栽培米はえぬき(おかゆで!)
・味噌汁
・漬物 きゅうり 白菜 梅干 長いも漬け
・自家製デザート プリンだったかな。
しっかり頂いて
食後にコーヒーまで。
タクシーを呼んでもらって
鶴岡駅まで向かう。
このタクシーの運転手さんがまた
山形のお国自慢で
しゃべるしゃべる。
山形っていうより庄内藩か。
幕末の話を昨日見て来た話のように
語りまくり、誰とかは
庄内藩が許してやったから
その後出世したとかなんとか。
さすがに朝っぱらからは
辟易したけど
山形を愛してるんだね~。
鶴岡で電車に乗り
余目で乗り換え。
ここでもわずかな時間を使って
改札を抜けて売店で名産を物色。
ここで売ってた「庄内刺し子」という
こぎん刺しのような工芸品は
美しかったな。
やはり始めたいのだ「刺し子」は。
ローカル線を乗り継ぎ
また庄内で新幹線に。
「昨日買ったワンカップが美味しかった」
と、再び駅のコンビニを訪れるも
Aっちゃんお目当ての酒には出会えず。
少々がっかりしていたら
「ねーのど渇かない?」
の、Yの一声であたしの
アルコホル魂も目覚める。
そうだね。
あと20分ぐらい乗るしね!
そんなわけで午前の一杯を
楽しみつつ
さくらんぼ東根へ到着。
新幹線の駅とは思えない駅名、
そして小さな改札の向こうには
イケメンくんが迎えに。
この日はうちのバイトちゃんの
実家の自然食のお店
お邪魔することになっていたのだけど
彼女の弟Y太くん26歳が迎えに
来てくれたのだー。
彼も東北人のイメージよろしく
おとなしいのかと思いきや
気さくでそして出過ぎない
めちゃ感じのいい子で。
しかも店に行くまでに
野菜を買いたいと伝えてあった
リクエストに応えてくれて
農協に寄ってくれ。
そこで山菜をあれこれ
吟味するYとあたし。
でも見たことない
聞いたことない野菜が
いっぱいだし
新鮮できれいだし
なんと言っても安い!
でも地元の人にはそんなことないのか
「こんなんで300円もするわよ」
なんて声も聞こえましたが。
そんな時も
弟くんはうちらとつかず離れずの位置にいて
「どうです?何かありました?」と
いいタイミングで声をかけてくれたり。
おばちゃんたち(=残念ながらうちら)の感動を誘う。
野菜を手にして
お店へ向かう。
お店のあたりは「啓翁桜」
という桜の産地だとかで
桜の畑が続く。
そう、お花やさんで
わりに寒い時期から売ってる
切枝の桜。
あれのことらしいのだ。
そっか~。
あれって普通の桜とは
違うのか~ガッテン!
そんなこと思いつつ
花に見とれていると
「着きましたよ」って。
そこは『自然・食 浄心庵』。
お父上が迎えてくださる。
ヒゲ面にチェックのシャツ。
お店の人としては
ありそうな感じだけど
どうも彼女と、また
事前に聞いていた前職とは
イメージが結びつかない。
だけど
そんな思い込みも
どうでも良くなるほどの
父上のキャラに圧倒され
純粋にお店を楽しむことになった。
お店と言っても
元は一軒のお家。
ただ
父上の父上がご自分で
郷土資料館をやっていた
らしいので、生活感はなく、
資料館の名残でりっぱな書棚や
父上の遊び心で装飾された
ふすまなんかが面白い。
テラスに通してもらうと
その目の前は大きな庭。
菜の花の向こうにやはり
啓翁桜の畑が。
「全部がうちの土地ってわけじゃ
ないんだけど」
とはおっしゃていましたが
遠くに山が見えてそりゃ
絶景。
そこで土いじりをしたくて
1年ちょっと前に
この店を始められたというお話なんだけど
土を耕した話から
日々育ってくる植物の話、
きのうとれた野菜の話、
次はそこに五右衛門風呂をね、、
なんて楽しくてしょうがないご様子。
いいね。
ほんとに楽しそう。
とりあえず
お願いしてあった
黒ラベルの瓶を出していただき
汗を抑えると
じゃじゃーん。
出てきました山菜たちが
ちびちびと。
お皿はほんまもんの
「アンティーク」だそうな。
「お父さん、日本酒出してください!
急いで!」
「あ、ビールはいいです、置いといて」
と、大興奮なあたしたち。
上喜元が運ばれる。
わらびにふきに
うす味のごぼうは香り高く
かぶに載ったゆず胡椒も美味い。
珍しかったのが
あけびにしいたけとわらびをはさんで
芋がらで巻いたもの。
それからうどについてるわさびが
ピリっとして美味しかったのが印象に。
ご自慢だという地鶏の
卵焼き。
庄内牛の佃煮も美味い。
野菜の肉巻き、
しつこくナイナイ。
にんじんも甘い~
あとのびるだっけ、めちゃ美味かったの!
これだよこれ!
こういうのに出会いたかった!
とどめは
スモークしたベーコン。
うわぁ、まじコレ美味い!
かなり日本酒でいっちゃってたけど
もりもり食べた。
途中店の日本酒を飲みつくしたらしく
件の弟くんが酒屋まで
追加の酒を買いに行ってくれたり
実に気持ちいい。
しかもその弟くん、
うちらの席にきて
一緒に呑み始めたんだけど
ほかのお客さんが来て
あまり長く一緒に飲めなかったので
東京に帰ってから
バイトちゃんに弟くんのこと
ほめつつまた飲みたいと
伝えてもらったら
「東京にはたまに行くので
ぜひお願いします」と。
おばちゃん連と飲んで
楽しいかはわからないけど
酒があればそんなことも
関係ない!
という臭いを彼には感じる。
ということで、再会が
楽しみ。
最後はおいしいごはんと
お味噌汁までいただき
大満足。
ガイドブック開いたところで
なかなかこういう店には
出会えないもので。
だから今回の旅の
最重要ポイント、
「美味しい地元料理を食う!」が
土日とも実現できて満足。
みんなもそうだったみたいで
企画者として、そっと胸を
なでおろしたのでした。
すっかりごちそうになったところで
今度はおかんが出てきて
天童駅まで送ってくださると言う。
恐縮です!
天童では
飾りの「将棋の駒」を買うという
Yの野望もあったので
駅に行く手前の
みやげものセンターまで
送っていただく。
いやーまったくもって
恐縮で。
が、
しかし。
せっかく連れていっていただいたのに
みやげものやは閑散。
さみしいな、天童・・・
Yもお目当てに出会わなかった様子なので
次なるおみやげもの屋を求めて
駅方面へぷらぷら歩く。
きのう新幹線で会った紳士のことも
思い出したけど
また厄介になると話が長そうだからな、
山形の人は・・
と、ご遠慮申し上げる。
時間もあまりないしね。

駅までの道すがら
桜のきれいに咲く姿にも遭遇。
鶴岡よりは少し遅れているけど
ちょうど「桜の季節」と言える。
ほんといい季節に来たねー。
駅前で
やっとYはお目当てのおみやげを買い
最後はあたしの調査しておいた
そば屋厳選4軒の中の1軒
『たか松』に
タクシーで乗り付けることに。
この運転手さんA土さんもまた
みかけによらずおしゃべりで
天童のことを短い時間に
いろいろ話してくださった。
ところが!
なんとそのお店がお休み。
ならば次に気になる店へ行こう。
と、目的地変更し
たどり着いた『伊藤屋』で
やっとそばにありつく。
の、前に
もちろんビールと熱燗で
つまみをちょこちょこ。
〆にそばを。
あれー?
ここでよかったんじゃなーい?
美味いよ。
新幹線まであと
1時間ほどあったので
天童公園に花見に行こう、と
タクシーをさがしたけど
ながしのタクシーなんて
地方にはいないのね。
走ってるのも迎車とかで
残念ながらあたしたちの横を
すり抜けてく。
これは駅まで戻るしかないかぁと
とぼとぼ歩いていたら
だいぶ前方を歩いていたYが
どうやらつかまえた模様。
あたしたちも乗り込むと
Yがげらげら笑ってる。
な、なんとさっきも乗せていただいた
A土さんではないの!
しかも絶妙のタイミングで
Yの前にキキーっと止まったのは
どうやらうちらの横を走りぬけていった
迎車の運転手が無線で知らせたらしく
A土さんはぴんときて
迷わず迎えに来てくれたのだとか。
いやーもう
白馬に乗った王子様ですよ、
A土さん!
で。
天童公園の桜が見たいと話すと
いきなりメーター倒してくれて
「じゃご案内しましょう」
って王子!(っていってもおっさんだけどね。
地味な。しかも気のきかなそうな!)
公園とは反対の方角に走り出すので
いぶかしく思っていたら
川沿いの道に出た。
そこは桜並木。
満開手前の少し上品な感じの桜の道を
すーっと走ってくれる。
「これからライトアップの時間なんです」
そういって同じ道を引き返そうとすると
ほんと、ちょうど桜がぼんやり
闇に照らされ始める。
やるねぇ。
それから坂を上り
うちらの行きたいと言っていた
天童公園に連れていってくれる。
「あっちは渋滞してますからね、
ここがいいんですよ」
と、道端に車を停めて
先に立って砂利の道に入ってく。
・・その先は拓けていて
ちょっとした展望スポットなのでした!
遠くに山がみえて
天童の街があしもとに。
へぇ、A土さん、すごいね。
十分十分。
車に戻ると
「新幹線の時間は?」
と、聞かれたので
「そろそろです」と言うと
「じゃ」とメーターを立ち上げる
A土さん。
支払ったのは
そこから駅までの1メーターほどの
料金だけ。
これだけいろいろまわってくれたのに!
ほんとにありがとうございます!
最後の最後まで
山形の人の親切には
驚くばかり。
いやーすごいすごい。
二日間でどれだけ
人に親切にしてもらっただろうか。
ほんとにやさしい人ばかりだったな。
ガタラーになっちゃうよっ♪
ただ
それにしても天童の駅は
地味すぎ・・・
最後の宴会を新幹線で
楽しむ予定が
駅の売店は19時をすぎると
のきなみ閉店。
お弁当のひとつも買えやしないので。
みどりの窓口に行き
「次の新幹線は車内販売ありますかね?」
と、確認したりして
結局車内販売で予約して
米沢をすぎたところで
米沢の牛肉弁当をゲット。
日本酒とビールと
弁当をまた
つついてはまわし
つついてはまわしして
東京へ。
忙しい二日間だったけど
濃厚で濃密で
楽しかった♪
親切な人たちに迎えられ
いっぱい呑んで
いっぱい美味しいもの食べた!
ザ・思い残すことナシ!

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