右手の刻印~あたしたちのきのうへ。

いま。
右の手の甲に
黒いはんこのあとがある。
昨日行った
ローリングストーン』という
新宿のロックバーの入口で
押された。
それがあれば
扉の外にあるトイレと
行き来ができるというものだ。
小さいライヴハウスでは
よくあること。
JRAなんかじゃ、
機械を通した時だけ見える
そんな上等なスタンプを
使用している時代なのにね。
きのうは。
久しぶりに大物の洗濯。
天気の悪さが続いていたのもあるけど
大規模修繕が佳境に入ってから
洗濯をする日は限られ
さすがに部屋干しする場所のない
タオルやらシーツやらを
やっと。
さらに久しぶりに
走りにでも行こうかと
思ったのだけど
ふとんでだらだらしていたら
昼をすぎそちらはあきらめ。
でもナノケアを買ってから
ふとんでだらだらすることへの
罪悪感も減ったのがうれしい。
「ながらエステ」
なんてすてきなんでしょう。
ただ
夜飲むことが決まっていたので
とりあえず料理はしよう!と
がんばってみた。
さといもたけのこにんじんの煮物
ぶり大根
うるいの酢みそ和え
大根の皮のきんぴら
やまいもとオクラのおかか和え
できあがったら
ちょうどでかける時間だ。
きのう約束していたのは
大学のバンドサークルの時の同級生。
二人とも子供がいて
すでにおとーさんなんだが
BBが富山から出張で
やってくるのに合わせて
連絡を取り合い
S井と三人で会うのは
去年に続き二回目。
日曜の夜では
知ってる店も限られるので
仕事帰りのS井にあわせ
新宿『BERG』で待ち合わせ。
「日本一美味いでしょ、ここのビール」
といつものように
ウンチクたれるあたし。
「あんたが酒飲めるようになるとはね~」
そんなこと言われつつ。
美味しいパテとパンなんかも
体験させたかったのだけど
S井が三丁目にある
どん底』へ行こうという。
老舗の居酒屋らしいのだけど
神保町のざぼうる、ミロンガ
のような雰囲気の店。
あたしにはビンゴなんだな。
S井は
連れてきておきながら
実は閉所恐怖症で
あまり居心地がいいわけではない、
と言っていたけど
あたしはああいう店むしろ好き。
うす暗くって
天井が低くって
あなぐらっぽいの。
どん底というから
ロシア料理なのかと思いきや
メニューには
「イタリアンレストラン」とある。
しかもメニューの中身はいろいろ。
イタリアンでもない。
ビールがモル○なので
赤ワインをボトルで頼むが
こいつはスペイン産。
まあなんでもあり!ってことで。
ピザ、
ポテトフライ、
きゅうりとオイルサーディン、
ピクルス、
トマトとモッツアレラ。
いつも食べているものよりは
若干ジャンクなメニューだけど
どれも無難でよろしい。
ところでこの二人
前回も感じたのだけど
古い友達なのに
昔話だの人のうわさだのが
あまりないのがいいのだ。
音楽の話が
やっぱり多いかな。
でもバースディについては
S井には
「いいんだけどさ、
こどものおしめを気にしながら
聴く音楽じゃないんだよな」
って。
そう言われても
不思議と腹もたたないし
へだたりを感じるわけでもなく
ただ納得。
それよりなんだか
ああ「言葉」が通じるって
安心した。
わかるかなぁ、
この感じ。
最近ほんと
そういうのが重要だって
思えるようになってきたんだよね。
え?
みんなは知ってた?
気付くの遅いって?
で、前回も話にでた
「ローリングストーン」に
移動することに。
入口で
件のスタンプを押され
店に入ってみると
そこは爆音空間。
単に仕切られている、としか
表現できない「DJブース」で
明らかにしろうとの女の子が
好き勝手に音楽をかけている模様。
こんな空間でどうしろってんだよ!
メジャーな名前から
予想した店とは
かなり違った簡素な雰囲気に
驚いてると
「クラブだよ」と、
爆音の中、S井が耳元で
冗談なのか本気なのか
わからない口調で言う。
そりゃ無理にカテゴライズすれば
そう言えなくもないけど・・・
最初はこんな印象だった。
だけどうす暗い中
カールスバーグを呑みながら
たまに知ってる音楽が聞こえてくるのに
カラダをゆらしてると
なんだかテンションあがってきた!
あれ?
踊ってる?
ってことは?
「クラブ」じゃーん!
なもんでつい、、
店に入った瞬間に
「10時半からまわすんですけど
何かリクエストありませんか?」
なんて
話しかけてきたクラッシュ好きの女の子に
トイレで会ったので
ミッシェルを頼んでみた。
そしたらかけてくれたよ。
初期のそれか!って曲。
でも題名わかんねーんだよ、オレ。
好き勝手にかけてると思ったけど
そうやってリクエストに
答えられるなんて
たいしたもんだし
他の曲たちもそうマニアックにならず
ほどほど皆の知ってる曲をかけるって
DJっていうのも
ワザが必要なんだな~って
感心したよ。
彼女の選曲は結構
よかったと思う。
で、二人はといえば
やっぱり同じように
スイッチが入って
楽しんでるよう。
揃いも揃って
学生の頃のあの騒ぎよろしく
40超えてもさ、
この馬鹿馬鹿しい状況を
クールに見過ごすことができないんだよね。
でも
楽しいことに出会った時
火のつく瞬間が近いと
うれしいよね。
昨日はそんな瞬間を
感じちゃったのだ。
だからたぶん。
やつらも今日は
デスクワークしながら
その右手のまぬけな刻印の名残りを見て
きのうの自分たちを思い出して
苦笑いしてるじゃないかな。
きのうと
もっと前のきのうなんかもね。

「右手の刻印~あたしたちのきのうへ。」への4件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS:
    久しぶりッス!!こちらにも”ローリングストーン”という店出来ました。あのローリングストーン誌インドネシア版を扱ってる会社が運営しているようですが、小洒落た雰囲気のCafeです。総ガラス張なんで外から丸見え、小さいバンドは2階の窓際ステージで演奏しているので、ドラムスとか宙に浮いてるように見えます。奥には凄い広い芝生があって、乾季には野外にテーブルがセットされるようです。あ、こっち今雨季ね。4月には再会できるといいなぁ~などと思っています。花見してぇ~!!

  2. SECRET: 0
    PASS:
    南球センセイ。
    そっちのローリングストーンはまたすてきな感じですね。
    スカートはいていっちゃいけないお店?笑
    4月には「淡路」の桜(?)に会いに行きましょう!

  3. SECRET: 0
    PASS:
    あの~床は透けてないんですよ。ですから、スカートOKです(笑)。「淡路の(乳母)桜」ですね・・・いいですねぇ~桜元気だといいけど・・・。
    「もっと前のきのう」っていうフレーズ気に入りました。貰いっと!!へへへ。

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