無茶ぶりにも歌って応えましょうか

「大丈夫、帰れるから!」
いつもの強がりで
人の世話にはならず帰らねば、と
ビートルズと酒に酔った
おにーさんたち4人と別れる。
何があっても
タクシーで帰れるようにと
財布には常に2万円がモットーの
あたしとしたことが
財布がからっぽで
恐縮しつつ
ビートルズ酒場のお代も
ごちそうになってしまい。
ひとりになり
近くに見える
コンビニに飛び込み
ATMにカードを突っ込む。
「ただ今お取り扱いしておりません」
焦った。
めちゃめちゃ焦った。
ここは六本木交差点。
まったくのアウェー。
しかもすべての人の足元が
覚束ない時間帯
もたれあって歩くのが
普通の光景にぞっとする。
思いついた人に電話してみたが
不通。
やべ・・・
歩いて帰るのか?
だとしたら乃木坂方面をぬけて・・
半分酔った頭で
知恵をめぐらす。
と、別のコンビニが目に入る。
「こっちも試してみっか」
あっさりお金が下ろせた。
タクシーを拾う。
最初は
六本木で夜中に拾った
娘(じゃないって?)を
明らかに見下してる様子に
ちょいとキレて
言い争いしてしまった運転手と
いつしか話がはずむ。
「ああもう茅場町か、
ここまで来たら乗車拒否されて
ここで捨てられても歩いて帰れるから
大丈夫♪」
「捨てられるって・・
お客さんおもしろいねぇ」
と、タクシー運転手にすら
くだらない笑いを提供するとは
バカだな、オレ。
と、自分に突っ込み。
さて
なぜにこんな事態に
なったかといえば。
大学のバンドサークルの先輩
はっちゃきどのの兄から
この日は呼び出し。
しかも
会うのは20年ぶりくらいで
おまけに弟には
サプライズで。
さらに連絡先も知らないので
このページに店と時間の書き込みが。
にーさん無茶ぶりすぎます!
あたしの都合とか聞いてよ。
だいたい知らない店
しかも六本木なんて
健全な乙女(じゃないって?)
には過酷です!
なーんて
ぷらりと登場したけど。
どうやらそこ
『アビーロード』は
ビートルズのコピーバンドが
延々ビートルズを演奏し
それを聞きながら
酒を飲むという店
らしいのだが。
名前を頼りに
予約された席にお邪魔すると
「ああ、あなたが?」
って、まるっきり顔を覚えてない兄。
ったく。
それに中学からの同級生だという
お友達もいらして
そこへ合流。
弟の姿もないし。
さらに大学からのお友達という方も
合流してつまりが
知らないおっさん3人と
いきなり乾杯。
兄はあたしのブログを読んで
あたしの近況には
妙に詳しいのだけど
はじめましてのにーさん二人には
「これ聞けこれ聞け」
とiPodを耳につっこまれ
オジーだの西郷テルヒコだの。
でもわかんないけど
もー楽しくなっちゃって
物怖じせずにわーわーやってたら
「おまえ初めて会った気しね~」
「なじみすぎだなー」
と。
はい、それあたしの特技みたいで。
初対面なのに呼び捨てされてるし。
いいけどね。
・・と、まもなく
コピーバンドがでてきて
ビートルズの演奏が始まる。
ここのPA、なかなか良いみたい。
いい音してる。
そして完璧なコピーで
次から次へとビートルズオンパレード。
と、横ではおやじ三人が大合唱。
しかも三人ともかなり巧い。
なるほど、ここ「聴く」店じゃなくて
「歌う」店なんだ。
われこそはビートルズのメンバー!として。
しかし
なんであたし今日呼ばれたん?
「え?ビートルズ好きなんじゃなかった?」
と、兄。
おいおい、誰がそんな・・
ブログに
「If I needed someoneのこと
書いてたから。
渋いの知ってるなと思って」
あ、それもS井の教育だ。
リクエストしなよ、と言われ
「If I・・」を。
たしかに演奏してもらうと
テンションあがるね。
それに演奏してくれる曲
ほとんど知っていて
いつしかあたしも
一緒に大声で歌いだす。
しかもおやじたち
「おれたち全然歌詞の意味わかんないんだよね~」
ああ、いいんじゃない?
かなりちゃんと歌ってるのにね。
それしかなかった時代
それだけを聴いてた時代。
そういう音楽を持ってるって
いいと思う。
それを思いっきり大声で歌えるこの店って
たぶん彼らには最高なんだろうな。
妙に納得して
楽しんでいると
やっと弟登場。
「あんた何してんの」
サプライズ!というほど
驚いてはくれなかったけど
「なじみすぎ」とのこと。
やはり。
それから
席を移動して
ステージのまん前で。
彼らは常連らしく
バンドの人たちも
ステージから降りる時には
彼らに握手して通り抜ける。
まああんだけ盛り上がってくれるのは
いい客だよね。
結局たっぷり4回ステージを観て
閉店・・・
意外とおもしろかった。
なんといっても
やっぱビートルズって
すごいんだなって。
どれもよくできているし
しかもはっちゃきどの曰く
どれも同じでない。
そうだね。
ビートルズについては
語るほど聴いてないので
いつかちゃんと聴きたいと
思っていたけど
いつの間にか体験してるんだね。
それもすごいとこだと思う。
「今日は最後のステージまでいるぞ!」
と、息巻いていた兄も
最後は沈没。
でも閉店で外へ出ると
「次は寿司食うぞ!」と
復活している・・・
「明日仕事だし
あたしの都合とかないわけ~?」と
勘弁してもらったのが
冒頭の六本木の交差点。
ま、楽しかったからいいかー。

「無茶ぶりにも歌って応えましょうか」への9件のフィードバック

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    もうね、サプライズには慣れました(笑)。
    なかなか楽しかったね、『アビイロード』。
    しかし弾けるだけ弾けてさっさと沈没する兄たちを見ていると
    それなりに「年齢」というものを感じさせられます(笑)。
    寿司行ったけどね、ウマかったっす。食ったのかよ。食ったよ。
    あんな時間に食うもんじゃないけどねえ〜。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    おつかれさまでした。あそこでビートルズを聴くと(いや唄う?と)、僕ら48歳の体は浄化されるのです、清く澄んでいた中学生の頃のように・・・。この浄化された体に寿司がまた合うわけ。ホテルに入ったのは午前3時だけど8時にはスッキリお目覚め。福岡への足取りは重かったけど(だって今出社仕事中)、これでしばらくは福岡でも楽しくやっていけそうな感じ。「トロ鉄火巻」おいしかったのに、残念でしたね。また次回よろしければどうぞ・・・。

  3. SECRET: 0
    PASS:
    はっちゃきどの。
    寿司そうか、美味かったのか。
    ちょっと失敗したな。
    次回は・・ってまた行くのか、オレ!?

  4. SECRET: 0
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    harrisonどの。
    ごちそうになり恐縮です、ありがとうございました。
    なるほど浄化ですね、わかりますわかります。
    楽しかったです~またお邪魔しますよ、
    3人のはっちゃけぶりもおもしろかったです!
    でも寿司はできれば先に食わせてくださいっ

  5. SECRET: 0
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    寿司の件、今後の検討課題とさせてください。ただ、寿司を先にするとライブを見る回数が減るのと、席の予約ができなくなるので、2ヶ月に1回しか行けない身としては辛い。アビーは1時で終わるけど、寿司は24時間なので、時間的制約のないほうが後になるのは、これ理に叶っているでしょ。(笑)

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    はっちゃき、harrison兄弟。律儀にご意見ありがとさんです。
    いや、最後の回沈没するのは、すきっぱらに飲むからだと思います!
    仕事ちょいと早く切り上げて、満腹で拝見しましょう。
    ・・でもこれも違う意味で眠ってしまいそう。
    今度は4回ステージの日に行って電車で帰りましょう!
    健全に!!
    ってか二ヶ月に一回も来てんのか!アニーっ!!

  7. SECRET: 0
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    はい、きっかり2カ月に1回ですね。電車で帰るなんてもったいない。ところで、リマスター盤発売1週間で180万枚だそうですよ!。アビーロードに行ったのはタイムリー!?でしょ。

  8. SECRET: 0
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    harrisonどの。はい、街中でもビートルズが聞こえると
    アビーロードを思い出して声に出して歌ってしまうあたくしです。
    またよろしくです~

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