りんごの皮の花

きのう。
意外にお花見つまみの
調理に時間をとられて
もー寝るぞぉ、と
テレビをつけたところ・・・。
いえね、
普段はあまりテレビは
観ないあたしですが
寝る時には
灯りがわりに
必ずつけるのです。
ほとんどチャンネルは
国営放送になってるんですが。
そこで偶然
流れていたのが。
寝転がって読んでいた
「ホルモー」の先を読むのをやめて
ふとんの上に正坐して
見入ってしまった。
「映像詩 津軽 雪の里」
とりあえず目を奪われたのは
せりを収穫するおばあちゃん。
雪のたんぼに入って
腰まで水につかって
収穫するんだね。
なんてつらい仕事なんだろう。
でもなんだか
その水の音が
澄んでいて。
たぶんその音に
耳を奪われた。
収穫したせりを
わき水の上にしつらえた
小屋の中で
泥を洗う。
その水にはめだかが。
「かつて日本の風景だった
きれいな水にしか住めないめだかは
今では貴重な存在だ」
そうなんだ・・・
おばあちゃんは言う。
「あったくなったらせりは終わり。
夏の野菜を植える」
・・というのは
津軽弁を聞き取れないあたしたちのための
字幕の言葉なんだけど。
ああもう!
今すぐスーパーに走っていって
そこらじゅうのせりを
買い占めたい気分だよっ
ばあちゃん!
それから
自然とつきあいつつ
りんごを作ってる
おじいちゃん。
雪がさぞつらいかと
思いきや
雪は枝にとって
天然のふとんで
寒さや風から守ってくれるのだと。
だからどか雪が降って欲しいんだって。
雪に灯りをともす祭りがここにも。
雪でつくった雪灯篭に
灯りがともると
やっぱり「さやさや」って
鳴るんだろうか。
おじいちゃんは
一生懸命育ってるりんごの枝を
かじる悪いねずみのことも
「家に出るねずみはかわいくないけど
畑のねずみはかわいんだ、顔が」
って。
でも、りんごにとっては天敵。
それを退治してくれるのが
ふくろうだ。
動物たちとの共存。
おじいちゃんが一日の終わりに
雪のつもった畑に
りんごの皮をまいていた。
うちのテレビが調子悪いせいで
その赤いはずの皮が
オレンジや黄色、
きみどりの
きらきら光る宝石みたいに
みえたんだけど。
暗くなって
固定したカメラに
それをもらいにくる
うさぎの姿が映ってた。
絵本じゃなくて
ほんとうの話なんだ。
きっと
つらくてきびしくて
どうにもならないことが
たくさんあるんだと
思うし
あたしには想像もつかない
世界の話なんだけど
でもそうやってできた
せりやりんごたちを
いただくのはこの
のほほんと暮らしてるあたしたち。
出会った時は
きちんと味わって食べたいと思った。
そして
合間に流れる
雪の結晶の映像も見事だった。
降ってくる雪のひとつぶを
拡大して映すのは
初の試みなんだとか。
中谷宇吉郎がみたら
泣いて喜ぶだろうなぁ。
いや、泣いてくやしがる、か?
結晶をナイフで薄切りにしてたんだもんね。
行きたいなぁ、ココ
あ、津軽にも。ぜひ。
そんなでまた
つい夜更かし。
眠いよぉ。
でもあと少しでお花見。
あのりんごの皮ぐらい
きらきらしてると
いいなぁ、門仲の桜の花も!

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