未明の東京タワー

波打ち際で
波に運ばれてくる
小さな船を
つかまえようと
足を水に突っ込んで
うっかり
自分の起こした波で
その船が後ずさりする。
いつまでも
終わらない水遊び。
恋ならば
その水に飛び込んで
ぬれることもおかまいなしに
その船に手を伸ばすことも
できるだろうに。
(いや、ならば余計にかな?)
かといって
堤防から
その船が打ち上げられるのを
待ってるような
余裕が
あたしにはない。
人の気持ちって
難しいね。
波がひいて行くように
さっとひいた時
その船を
おいかけるすべは
案外少ないのね。
そんなこと
考えながら
眠ったせいか
ずっと夢を見ていたような
気がする
きのうの夜。
熟睡型のあたしには
珍しく
おかしな時間に目が覚めた
月のお呼びかな?
(誰やねん、われ!)
とベランダにでてみたけど
まだ空は暗くて
お月様はいなかった。
でも
朝4時にも
東京タワーに灯はともっていた。
あれは何か
意味があるのだろうか。
この星にとって。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です