雨のアタック

登った!登ったよ!
雨の戸隠山。
土曜朝
サル仲間のU田と待ち合わせて
東京駅から長野新幹線で
びゅーっと。
長野駅で
大阪から来るTマスくん
名古屋から来るKAIちゃんと合流。
戸隠行きのバスまでの
あき時間、早速
そばを食べに。
そしたらこのそばや、
めっちゃ待たせおって
あやうくバスに乗れないとこだった!
ったく!
しかも小さな鴨の浮かんだ
鴨せいろ・・
ねぎそばかよ!
ちょっと出鼻くじかれ。
急いでバス停に走ると
東京よりバスで来て
川中島観光に行っていた
パワフルなミスター山猿
T中くんが。
これでフルメンバー。
そう、自分より
年下の男子たちと
しかも一番若い子は8つも下、、
そんなメンツと登山なんて
あたしも勇気あるよなぁ。
そのために
先週は酒を控えめに
スポセンで走ったり
登山靴のためしウォーキングしたり。
1kg落ちたみたいなんだけど
それより軽い実感あり。
自分の中でガッツポーズ。
さて
バスでやっとこさ
たどり着いた戸隠は
結構な人出。
マイカーでわざわざ
そばを食べにいらっさるらしく。
行列してる店もあり。
うちらは
でっかいザックをかつぎ
登山靴で
お宿へ向かう。
ここはT中くんの後輩が
昔バイトしていたとかいうところで。
そのせいか
男子4名とは別に
あたしのために畳20畳くらいの部屋が
あたえられ・・・
申し訳ないっす。
荷物をおいて
とりあえず閉店時間の早い
そば屋へ。
昼も食べたし
晩はお宿で出るのだけども
戸隠まで来て
そば食わないってのはねぇ。
ってことで
お宿から近い
行列のできる店
『うずらや』さんへ。
閉店間際のせいで
並んでる人も減っていて
ラッキーなことにすぐ
通してもらえて。
せいろをいただく。
うまいっす。
少なめのつゆに
きんきんに冷えたそばを
さらっとつけて
食す感じ。
しかも男子たちが
いい音たてて
食べてる。
うん、なんか男のメニューだよな。
あたしは残念なことに
あのそばをすする音を
たてることができない。
自分の食べ方は
ほんとまずそう。
いやだねぇ。
お酒とか
そばがきとか
いただきたいところを我慢して
近所の温泉施設へ。
透明だけど
丸いお湯。
なぜか貸切で
気持ちよかったです。
ほてったからだで
宿に帰り
夕飯待ちきれなくて
ビール。
こたつを囲んで
次の日の計画なんかを話していたら
あっという間にごはん。
○千円の宿で
このご飯はりっぱ。
でもそば食べたせいで
あまりすすまないので
残ったごはんをおひつごと
お借りして
部屋でおにぎり。
ラップと塩まで用意してくださる、
ほんとに親切なお宿で。
またこのおにぎりが
夜食にいただいたら
美味くて。
たぶんおコメが美味しかったのでしょう。
しかし~
困ったことに
雲行きがあやしい。
東京でる時は雨だったし
こちらでも
天気予報は
くもりから雨に
変わって行く感じ。
登山経験の多い
T中くん、KAIちゃんが
かなり悩んでいる様子。
「せっかく来たのにねぇ。」
せっかく・・という
言葉で登るのって
危険じゃねぇ?
と突っ込みつつ
でも登りたい気持ちは
あたしにも
ほかのみんなにもあり。
そんな話もまとまらないまま
とりあえず後輩くんに
教わったという
戸隠唯一のバー
『ニルヴァーナ』へ。
なんでも’68の
アードヴェックがあるとか。
早速バーテンダーさんに
「甘い感じのモルトを」と
リクエスト。
甘い蜜のような、という
エドラダワーを。
皆はギネスをたのんでいたけど
登山の前日に
こんな飲んでいて
いいんでしょうか!
あたしたち。
それから
おなかいっぱいのはずなのに
なんとなく
洋風なものに飢えていた
あたしらはピザを注文。
そしたら「粉から練りますので
時間かかりますけど」
と。
このピザが!
美味かった!
生地もふわっとしていたし
ソースがトマトに
ちょびっとアンチョビの
風味のオイルが
かかっていて。
みなでじゃんけんして
とりあって食べたり。
U田は、このピザ食べるために
車に嫁乗せてまた来るとか
言ってるし。
さんざ
食べて飲んで
あとは明日のために
寝なければなんだけど
また宿に帰り
部屋で飲み直し。
あたしも持参のラムを
ちびちび舐める。
でもさすがに
ひとりふたりとつぶれて行き
23時には消灯。
1時ごろ目が覚めたら
雨がざんざ降り。
これは明日はないかな?と
思って今朝6時に起きると
みながさがさしてる。
「とりあえず行ってみようよ」って。
きのう到着した時に
宿のおばさまの言った
「危険な山です」
という言葉がよぎる。
たしかに雨はやんでるけど
足元とかどうなの?
やや不安なまま
それでも
「せっかく」と
用意をはじめる。
宿のおじ様が
登山口まで送ってくださるという。
「雨がふりださなければ
いいんですがね。
あとは油断しなければ
そんなに大変な山ではありません」
そんな言葉に元気づけられ
「じゃあ雨が降って
風が強くなってきたら
引き返そう」
というわけで
アタック!
ちなみに
天照大神が隠れた時
手力男命(たぢからおのみこと)が
こじ開けた天の岩戸が
この地に飛んで来て
戸隠山になったっと言われているとか。
修験道場でもあったらしいよ。
最近では
ナイナイのオカムラが登ったらしい。
さて
車を降りたところから
戸隠神社の奥社まで
約2kmの道を歩く。
この奥社への参道の両側には
巨大な杉が林立していて
ものすごく幻想的。
とくに霧がかった
今朝のような朝には。
奥社で
「無事に全員で下山できますように」
と、お参りして
いよいよ登山道へ。
かぶとじゃなくて
靴のひもをしっかりしめ
いざ。
来い!戸隠山め!
と気合たっぷりの
あたしらの前には
いきなりの急のぼり。
落ち葉がきのうの雨でぬれて
足元がすべりそうになる中
片手にはストック
片手は地面についたような状態で。
大丈夫かぁ?自分?
と思ったうしろで
登山初でがたいのいいU田が
悲鳴をあげていて。
「きついっす~」
とにかく
登山はひとのテンポに
のまれないようにすることが
大事。
そう思って
さっさと先を行くワカモノや
苦労している人とも離れて
ひとりで黙々と
登る。
道はひとつ。
しばらく土の道が続いたかと思ったら
今度は前で悲鳴。
岩場だ。
来たな、岩戸め・・
岩にくさりがたれているのだけど
それが経験のある
彼らにとっても予想以上に
でかくて距離があったらしい。
一応ここは
くさり道はじめてだし
紅一点ということで
気を遣っていただいたのだけど
あたし、このくさり道が
大層気に入ってしまい。
だって足だけで登るより
全然楽なんだもの。
さるどしだからかな。
やでも、1kg落ちた甲斐が
あったのかもね。
「ねーさん、これいけんなら
槍ヶ岳も行けるで」
そんなうれしいお言葉もいただき。
ぱらっときたので
レシンスーツは着たけど
なんとか天気ももちそうだし
行けるかも!
と思った矢先
次はうわさの「蟻の塔渡」という
難所。
岩でできた幅50cmの尾根なのだけど
両側は断崖絶壁。
よつんばいで渡らなければ
ならない場所。
幸か不幸か
天気が悪いせいで
眼下は霧がかかっていて
よく見えない。
自分の足元だけどみて
ゆるゆるとすすむ。
風も弱いし
なんとか約50mの距離を。
最後には「剣の刃渡」なんて
さらに細い部分もあったけれど
そこはもうお尻をついて
少しずつスライドしてく感じ。
ここでまた
高所恐怖症のU田が悲鳴。
ものすごいゆっくり
進むのをあらためて見ていたら
やっぱり恐い!
すごいとこ通ってきたんだなって
実感。
でも景色はすごかったな。
すぐ下は見えないのだけど
遠くを見渡すと
雲海の中に
ひょこっと山々が
あたまを出していて。
岩と緑のストライプが
男っぽくてかっこいい山たち。
難所をすぎたあたりで
今度は雨が降り出して。
といっても
あの蟻のなんとかなんて
二度と渡りたくないし
先行きましょう!
ってことで
頂上を目指す。
くさり場を一気にあがったおかげか
頂上はすぐで。
登りはじめて約2時間半?
予定より少し早めの登頂らしい。
あとは降りるだけ。
と思ったら
下山口まで尾根づたいに
アップダウンが続く。
しかも霧でわかりにくかったけど
片方は断崖絶壁という道が
結構あって。
でもそのあたりになると
体は疲れとか超えて
余計なことも
何も考えなくなって
ただひたすらそこにある道を
歩くのみ。
山の水をふくんだ空気が
あたしを包む。
雨の粒があたしの汗を
洗い流してくれ。
あたしの中のたまった毒が
一緒に流れる。
考えるのは
この岩のどの部分を
踏めばいいのか。
どうやったらこのぬかるみを
越えられるか。
そんな状態で
自分のペースで歩いていて
ふと前後の人の気配が
まったくなくなってしまって
何度か山道で
立ち尽くす瞬間は
とても不安なのだけれども
その時の静けさったらない。
あんなところへでも行かないと
味わえないもの。
そんな繰り返しを
約2時間弱。
やっとあとは降りるだけ、という
地点へ。
そこでまた雨が強くなる。
さらに1時間半ほどあるという。
下山になると
靴が痛くなったり
ザックが雨を含んで
重たくなったりも
するのだけど
なんだか元気で。
岩のごろごろする道を
小走りに降りる。
雨のせいか
その岩道に
だんだん水が流れてきて
川のような状態になってきて。
気づくとその先は滝!
ひえぇ、あたし滝の上にいる。
小さな滝なのだけど
その横をまた
くさりにつかまって降りる。
登るより降りるのが恐いね。
しかも雨で軍手はぐしょぐしょ
手がすべりやすい。
そのあとは
くさりをつたって
壁際数センチの道を
岩壁沿いに降り
またごろごろの岩場を
ひたすら降りる。
滝から流れの大きくなった
川を交差しながら
やはり雨で増水したらしく
交差する時に
時折水に足をつけたりなんかして。
それでもまったく
足がぬれないって
ほんと登山靴ってすごいよね。
そのあとぬかるみも
ばんばん足入れたけど
問題なし。
だんだん平地になってきた
感じなど実感しながら
強くなってきた雨の中
ゴール!!!
先に着いたTマスくんの
淹れてくれたお茶が
とても美味しかった。
途中
宿の方に作ってもらった
お弁当も
食べるチャンスも
写真を撮るチャンスも
なかった6時間だったけど
心地よい疲れ。
ゴールで食べたきのこそば、
あったかくて美味しかった。
でもここも
実はそばが出てくるのに
時間がかかって
バスをのがしてしまい
タクシーの連絡先を聞いてみると
親切にも電話してくださり
あたしたちのぬれた上着も
店のストーブで
乾かしてくださり。
とてもとてもうれしく。
タクシーに乗って
無事長野駅まで。
駅で早速ビールを購入。
在来線の時間のせまる
関西組みを送りだし
あたしらも新幹線で。
自分がどれくらい
登れるのかとか
まだ全然わからないのだけど
登りはじめると
どこまでも行ける気がする。
どこまでも行くしかない、
そんな状況を
味わえるのが
登山の魅力なのかも。
普段なんでも
中途で投げ出してしまう自分が
黙々と歩いてる図が
可笑しくって
愛おしいんだよね。
いーじゃん、
たまにはがんばれるんだよ、
あたしも。
あはは。
文句あっか。

「雨のアタック」への4件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS:
    登山のときって、本格的な道具っていりますか? わたしも年明けには六甲山に登りたい(ほんとは元旦行きたいのですが、福袋売りの仕事が待っている~)のですが、トレッキングシューズだけでもけっこう¥がかかるとか・・・。よかったら「最低でもこれだけは用意しとけ!」ってもの教えてください。

  2. SECRET: 1
    PASS:
    こんばんわ。急にミクシィ閉じることになりました。最後はほんと悲惨なものでした。
    わたしの知人の絵描き・Sさんが主催してる展覧会で、関係者内での足の引っ張りあいのような事件があって、Sさんはくわしい状況や事情を把握しないまま、激怒して、会場内から自分の作品を撤去させて、仲間からの連絡もいっさい断って消えてしまったのです。
    でもSさんのダイ・インは3日と持たず(笑)、「来年のGEISAIでまた召集かけるから、きっとみんな集まってくれ!」などというメッセージがコミュに届く始末でした。Sさんの作品も人柄ももちろん好きだけど、
    その事件で、「なんかこの人と自分は根底的なところで何かが違う」と思ってしまって、わたしたちの活動仲間も2つに決裂しそうな気配(Sさん派とSさん否定派)を見せたので、「みんなに好かれていたい派」のわたしは早々とけつをまくるような行動にでたのでした。日記にも書いたのですが、もともとわたしがミクシィに入ったのは、Sさんと活動をともにする仲間同士の連絡用としてコミュニティ機能を使っていたことがきっかけなので、(続く。)

  3. SECRET: 1
    PASS:
    Sさんに失望?した今となってはもうコミュニティに残る必要が無いし、わずか1年だけど一緒に活動した仲間とは、コミュニティが解散してもきっと連絡を取り合おうという約束ができたので、
    悲しい結末になったけど、きっぱり卒業できました。
    べいべーさんとは、わたしの人生のなかでもとんでもなく辛い時期に出会って、おねぇ友達が少ないわたしは大喜びでたくさん甘えてしまいました。どっちかっていったらわたしもみんなの「ねえさん」なので、ねえさんではなく末っ子になれる場所が欲しかったのかも。いろいろ相談やら愚痴やら聞いてもらって、すみませんでした。そして、ありがとうございました。
    わたしはこれからも、とびきり辛くて信じられないくらい悲しいことが起こっても、次の瞬間には地球の重力から剥がれるくらいの勢いの「生きてる実感」で弾け跳んでしまうような出来事のさなかに身をおいて生きていくんだろうと思っています。そんな自分が結婚に向いていると思ったことは一度もありません(^^;)

  4. SECRET: 0
    PASS:
    シューズは大事。金かける価値ありますよ。それとレインスーツはちゃんとしたの買った方がいいみたい。あとはスパッツと下に着るものはちゃんと体温保温で汗を吸収しやすいものを着ています。これまた高いんだけどね。でも時に命がけになると思えば安いもの、と思って。
    ミクシィの件はなんだか面倒なことになってるみたいだけど、早く書く場所をみつけてまた吐き出してってください。人間関係はまーどうにかなんだろ。そっちはあせらんで、流れにまかせておけばいーんじゃないかねぇ。自分の力だけでどうなるもんでもないし。なーんて人のことだとえらそうに「ねーさんヅラ」してるけど、あたしも毎日一喜一憂よぁ。
    まーとりあえずあたしんとこは営業してますんで、また遊びにきてちょ。

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