下町はもう、春なのです!

土曜は。
仕事帰り、
三省堂で小説トリッパーに載っている
桜井鈴茂くんの『おれのユッキー』を立ち読み。
(ゴメン!だって短編だし。)
ご本人曰く
「3分25秒のポップソングのような。
あるいは得した気分になるB面曲のような。」
と書いてましたが
まさにそんな感じの心地よい軽さの短編です。
実はあたし、桜井くんの作品は
物語色の強い
ちょっと異空間で起こっているような
翻訳小説のような印象を受ける短編のが好きかも。
そのあとJanisで中古CD物色。
ナンバーワンバンドの「もも」発見。
つい、買ってしまいました。
そう、コバヤシカツヤの著作権ぎりぎりの
パクり、アーンドおもしろ歌詞のアルバムです。
クワタやスズキケーイチや
セラさんなんかも参加しちゃってます。
ああ、あたしって昔から
「替え歌」が好きらしい。
でも、「USA慕情」入ってると思ったら
ほかのアルバムだったか。
「オレゴン彼女はユーエスエー!
マイアミたらしたかわいー子
年のころなら二十シカゴ
彼女のねえさんサンディアゴ・・」
ああ、すらすらと歌詞が出てくるあたしって。
ヤバいね、ちょっと。
そんなあほな歌詞を
口ずさみながら門仲へ帰ろうとしていると
地元友のOちゃんからメール。
「落語の前にカレー食べない?」と。
どちらも知らなかったカレー屋を
紹介してくれようとしたのですが
でもどちらも残念ながら休みで
落語まで時間がないので
結局すぐに出てきそうな「立ち呑み屋」へ。
ここ、新しい店なのだけど
なんつーか、いやゆる「立ち呑み」の
雰囲気もないし
そうかといって、新しいコンセプトがあるでもなく
中途半端。
ビールはサッポロでしたが
たぶん二度と来ないだろうな。
ちょっとおなかふくらんだところで
門仲で3つしかないおしゃれなBarのうちのひとつ
『ファンナイト』へ。
実は先日この店でOちゃんと飲んでいたら
店の常連さんに落語家さんがいるって話で
「1月に落語会やりますよ、ここで」
と、若いバーテンさんに誘っていただき
参加させていただくことに。
10人しか入れない
せまいカウンターバーの
カウンターにざぶとんを敷いて
ふたりの落語家さんが落語を。
ひとりは「前座」の昔昔亭桃太郎さんとこの喜太郎さん。
そして今は「二ツ目」で立場が逆転してしまったという
喜太郎さんの落研時代の後輩。
おふたりの落語を20分ずつ。
「権助魚」
「刻そば」を。
古典だけにわかりやすく
ありがちな話で
正直無理して笑った場面もあるのですが
声のよさや
声色の使い分け、
そばの食べ方なんかのパフォーマンスは
やはりプロなのだなぁ、と
まだまだ落語界では若手と思われる二人でも
納得することができ。
また聞く側で
いろいろ想像をめぐらす、という
落語ならではの
醍醐味は味わえたような気がします。
終わったあとは
落語家さんもまじえて
ほかのお客さんと歓談。
寄席の話とか聞いたのですが
寄席って楽しそう!
だって食べ物飲み物持込OKで
一日居れて、疲れたら寝たりして
気付くと落語やっててくれたりして。
まあ寝るのは失礼だから
我慢するとしても、なんだか
ちょっとロックフェスと似てる。
最近はドラマの影響で
なかなか入れないこともあるみたいだけど
行ってみようかな。
そうそう、喜太郎さんの師匠の桃太郎さん。
かなりおもしろいらしいし。
で、おみやげとして
喜太郎さんが
落語家さん同士で配りあうという
てぬぐいをいろいろと持ってきてくださり
紅一点ということで
一番に選ばせていただきまして
手に入れたのがコレ→
朝夢さんって人の。
あさがおの柄。
なかなか素敵です。
何時間かして
落語家さんも帰り
お客さんもぽつぽつと帰りはじめ
Oちゃんと私以外に
もうひとり残った常連のおじさまが
「じゃあ、はじめましょうか」
と、バーテンさんと
バックギャモンを始めて。
あたしはゲームは弱いので
普通はあまりああいうものには
興味持たないのですが
道具がなんだかかっこよかったので
1ゲーム見物してしまい
ルールはだいだいわかりました。
でもまあ、貧乏性なんで
「ゲームをやって時間を潰す」なんていう
贅沢をやりたくなる日は
まだまだ先だろーな。
『ファンナイト』では
アードベックのストレートと
パスペールエールと
つまみのハムや
ピクルスしか食べてなかったので
「ごはん粒が食べたいんだけど」
と、せがむとOちゃんが連れていってくれたのが
『はる』という割烹というか
和食屋というか、てんぷら屋なのかな?
とにかくそういう渋い店だったのですが
そこがあたしの中では
その日の最大のポイントに!!
門仲の土日の夜って
ほとんどの店が休みなので
人通りがなくて
看板のあかりもなくて
少しさみしい感じで。
その『はる』の灯りも
なんだかすごくたよりない感じで
しかもOちゃんが店を覗くと
おじちゃん二人が座敷に横になってる始末。
恐る恐る「こんばんは~」と入ると
職人というより
芸人風の、というと失礼かもですが
つい顔がほころんでしまうような
凸凹コンビっていうか
そういう風情の二人が
快く応対してくださり
それはそれはおいしいつまみと
天丼をつくってくださいました。
まるで高級旅館の食事というか。
聞けば門仲仲間の中でも
一番食にうるさいAさんの行きつけとか。
なるほど。
「なんで今まで誰も
連れてきてくれなかったんだろー!」
と、誰になくぶーたれていたら
「うち、高いからね」
と、あっさり。
たしかに壁にあるメニューは
そんなに高価なものはないけど
ちょこちょこと長居して食べ続けていたら
とんでもないことになるのかもね。
で、最初は天丼だけのつもりだったのだけど
ちょこちょこと手の込んだお通しをつくってくださったので
泡盛をロックで。
春雨だったのだけど、琉球ガラスの
かなり大きめのグラスに
なみなみとついでくださり
これがまた美味しくて。
っていうのは、たぶん
氷が氷屋さんの氷だからなのです。
和食風の店なのに
おじさまがせっせと氷をまるく削ってくださって。
すごい。
気に入った。
酒がうまい!
ここは土日も営業しているようなので
またちょこちょこと使わせていただこう、と。
なんてんたって
おじさま二人がめちゃめちゃおしゃべりで
おもしろい。
説教くさくもないし
こちらの話もちゃんと聞いてくださり。
あれが大人だと思ったね。
前にも書いたけど
最近自分の自慢ばかりする大人が多くて
結構うんざりするところがあったのだけど
この凸凹職人さんたちは
自信あること(=こちらもうなずけるところ)しか
自慢しないんだよね。
うん、そんなことを
すごく感じた。
そんな意味でも
とても気に入ったので
『はる』
またゆっくり訪ねたいと思います!
門仲奥深し。
ウ嬉嬉ぃ~!

「下町はもう、春なのです!」への6件のフィードバック

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    なつかすいー!ナンバーワンバンド。昔コピーしたな。「ろっぽんぎのおじさ~ん♪ほんとにいい気持ち~」ってやつ。『ドッグ・オブ・ザ・ベイ』のメロディで唄うの。あれはどのメンツでやったんだっけ・・・「あの頃」は忘却のかなたへ…。

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    ありましたね~。
    たしかに「あの頃」を思い出すことはなくなりました、あたすぃも。

  3. SECRET: 0
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    タカどの、落語とか見てそうなのに。
    今度皆で弁当もちよりで行きましょー。

  4. SECRET: 0
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    はっちゃきどの、相変わらず落語をカーステで聴いてるのですか?
    にぎわい座、今度連れてってくださいましー。

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